30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに California 州から遠隔勤務.

石の上にも三年,ロボットの上下に四年

ブログを三ヶ月も書かなかったのは記憶に無いですが,忙しくて忘れてました.この間色々ありましたが,米国での五年の留学・仕事を経てとりあえず日本に戻りました (大事な人を置いてきたので頻繁に帰ることにはなりますが).日本での仕事についてはまたその内触れることになるでしょう (わすれなければ) が,引き続きロボットやってます.
世間でたまに "あと十年後にはロボット社会が..." とかしたり顔で言ってる頭良さそうな雑誌とかあるかも知れませんが,多分二十年前にも同じ特集が組まれていたはずで,そんなに甘い分野じゃなさそうです.でも,アメリカの五年間で私は,きっかけと思い込みのおかげで,どういうわけかロボット業界の人に改造されて,日本に戻りました.宇宙がどうの,とか言いながらアメリカに渡ったのにロボット?何それ?,と,移り気だ一貫性が無いだなんだとご批判はごもっともですが,自分が一番意外に感じてるのでこらえて下さるようお願いいたします.

日本の夏といえば鮎と桃.今の夏は鮎をここぞとばかりたくさん頂きました (親爺がいっぱい釣って帰ってきたおかげ).

ROSCon 2013 日本語要約を開始

一ヶ月以上前ですがドイツで ROS 専門のコンファレンス ROSCon が二日間に渡り開催されました.全発表の動画が公開されていて,バタバタして観ることができてなかったのですが,作業の合間とかに見始めました.全部見たら大変な時間量になるので,なんと今日から私が全部みて要約のリストをこのページに作っていきます.更新は遅目かも知れませんが悪しからず..


プログラム一覧と,各動画へのリンクはこちらから

Day1 Track1 01 Alexander Verl - Welcome

  • Fraunhofer IPAオープンソース活動一般の紹介
  • 中国の故事: 道で躓くなら,新しい道での方が良い

Day1 Track1 02 Brian Gerkey

  • (前日迄同所で開催の) ICRA は scientific,ROSCon は engineering を議論してくれ!
  • Lightning talk が一日の最後に開催.早いもの勝ち!
  • ROSCON 参加者; 268 人,33% 増加,35% 学生,45% 職業人,20% その他
  • OSRF 紹介,Public-benefit Non-profit company. ROS と関係する S/W・H/W 開発
  • コミュニティからの OSRF への協力例: WEB・CI サーバホスティング by OSL (オレゴン州立大)
  • Excursion はポルシェ美術館!ディナーもあるョ
  • 次の講演者紹介 (Moveit!,ピンポン・ロボット)

Day1 Track1 03 Sachin Chitta, Ioan Sucan - Keynote: MoveIt!

  • 背景; Personal Robotics - 家庭にロボット,は難しい.しかし移動式マニピュレータ技術の発展が後押し.
  • Moveit! とは?移動式マニピュレータのための動作計画,逆運動学,物体等の 3D 環境知覚による衝突回避,制御,移動を行う software.カスタマイズ容易
  • 以前あったモジュール (/stack) 群,arm_navigation, grasping pipeline,から発展したもの.性能,3D 知覚の統合において.
  • PR2 を使って開発したが,ROS-Industrial で扱う産業用ロボットにも,主に設定値の変更だけで適応できた.
  • デモ

Day1 Track 2 Alexander Bubeck (Fraunhofer IPA) - Improve your ROS code with Model-Driven-Engineering and save development time while doing it

  • BRICS IDE, or BRIDE. Eclipse ベースの ROS 用開発環境
  • ROS node, 設定等を GUI ベースで定義可能
  • ケルトンコード生成
  • OROCOS-ROS にも対応

アメリカの Smartphone を日本のソフトバンクで使う

アメリカで使っている Android のケータイを,日本のキャリアの SIM (Softbankプリペイドではなく通常の契約) で通話・インターネット共に使えるようにすることができました.Hacky な点もあったし時間はかかりました...これをやりたいのは主に英語な人々だろうから英語 blog に書いておきました.
http://gm130s.blogspot.jp/2013/06/using-us-android-cell-phone-with.html



私が世界で一番好きなラーメンは今も昔も変わりません: 栃木県さくら市の "なかや" の醤油ラーメン.

初観戦 男子 10,000m @ Payton Jordan Cardinal Invitational, Stanford

アメリカに来てからご無沙汰してるものの (過去の blog を調べたら Jeremy Wariner を観に行った時以来四年ぶりらしい),中学時代 (20 数年前) から陸上競技マニアでした.特に長距離.で,日本の長距離走の好記録の結構多くが米・スタンフォード大学の記録会で出されたものなのは中学の頃 (はるかむかし) から知ってましたが,今年遂に観戦がなりました.
記録会自体は午後ずっと行われてた様子ですが目当ては男子 10,000m のみ.午後 10 時開始という規格外.最近のシリコンバレー地域は昼間の日差しが強く気温も 80F に達するとは言え,老若男女そろそろ寝る時刻.んじゃビール片手にのんびり観戦か,と持参するもキャンパス内は屋外禁酒とのことで仕方なく真面目に観戦.まあ各日本チーム,早大渡辺康幸カネボウ高岡寿成各監督がすぐ隣にいらっしゃるくらいのピリピリした雰囲気ですから仕方ない.私達にとってはエンタテインメントでも,彼らはこれに仕事の成果がかかっているわけですね.
レースはペースメーカが入りの 3k 3.2k を 8'50 で入った所でリタイア.超スローペースで,アフリカ勢もちらほらしかおらず,これは好記録は望めないのかな?と思ったもののその後トヨタの宮脇選手等がひっぱり 5k を 14 分丁度まで上げ,期待度が上がる.後半 5k は弾丸のような,触れたら吹き飛ばされるようなエナジーを感じることが出来た.結局日本記録まであと 3 秒というところで日本人 2 人含めトップ集団フィニッシュ (記録テーブル).素晴らしいレースでした.思いがけず,早大大迫選手が日本学生新記録を樹立する瞬間を目撃できました.

# 自分で取った写真ではないです.http://farm8.staticflickr.com/7278/6993778328_d4e36b16a6_c.jpg から拝借.3 着だった Nissin の佐藤悠基選手と村澤選手がいますね.Nissin は米国でもカップヌードル食べる人には知られてると思うので,佐藤選手はきっと周りの非日本選手にカップヌードーパワーだな hahaha とか冷やかされるのは間違いない.
やはり Stanford は日本選手にとって記録の出る場所だった.なぜだろう.空気が乾いてて走りやすいんですかね?アフリカ勢が大挙して出走しないのが逆にペース的にやりやすいのか?
それにしても日本からわざわざ監督コーチ等チームでやって来られるというのは,気合が入ってるんですね.以前為末大さんが,非日本の選手は欧州遠征を選手一人だけか,せいぜいコーチと二人で行うのが普通,と言っていたし,陸上競技って一部の超トップ選手を除いて残念ながら活動資金が潤沢なスポーツではないはず.日本の企業・トップ大学の選手は極めて恵まれている,と言って良いのだろうと思います.
大迫選手は卒業後企業に所属しつつ米オレゴン州に練習拠点を移すらしい.かねてから,陸上とくに長距離選手は何故日本を出ないのか?と疑問を持っていた自分としては歓迎です.世界的競争力を生み出すという点においては,駅伝を最大目標とする大学・企業の方針はこの 10 年成功していない.駅伝自体が商売として成功していること・駅伝選手になることを目指すランナーがいる事は駅伝社会の成功だし,素晴らしいと思う.しかし,そういった "駅伝枠" ではなく "世界と戦う枠" を目標とする選手がもっと出てきていいはずとも個人的に思います.学校卒業後に外国で稼ぎながら走るというと,競技に集中する以前の問題が多過ぎて難しいだろうから,高校卒業後に学部留学しつつ走れれば良いのかも知れないが,学部留学だとお金が大変 (博士課程の留学と違い,学部だとよっぽど成績が良くないと奨学金も取れないだろうし) だし,そもそも日本の高校生が学部海外留学を目指そうと思いたくなる情報環境ではない.そういう意味でも日本の企業の所属とはいえ英断した大迫選手には成功し,道を拓いて欲しいですね.

米 startup の採用 mtg に出た

訳あって職場が移りました.所属は変わらないけど,これまでの 60 人くらいのオフィスから,15 人程度のオフィスに移動.家から徒歩 3 分だったのが車で 20 分になり,食事も 3 食自分で補給.夢の世界からフツーの企業に舞戻った感じ.それでも startup 的な小規模なので色々普通でないですが.
先日突然 hiring mtg に呼ばれました.応募者の書類を社員ほぼ全員でチェックする会.短期雇用者がなんで呼ばれたのか今だによく解らないし,結果や会話内容を公開していい筈は勿論無いですが,へえ〜こうやって審査するのか!と渡米四年目にして初めてみる光景だっただけに目ウロコ落ちまくり.想定していた事が実際その通りだった,という項目も多いですが,とにかく米就活として一般的に役に立つと感じた内容を略記します.ちなみに背景情報としてこのオフィスは非営利企業,従業員の 9 割が工学の博士号取得者で半数以上米国育ち人.募集もエンジニアのみ.この日の会議はスクリーニングであり,最終的に採用する人を選ぶのではなかった.

  • まずキーワードで目を引くことが成功したら,文章を読んでもらえる.
  • Cover letter はやはり "必須"!!.やる気をはかるのに重要.しかも,"一般的な自分の強みの紹介" と応募企業への売り込みの二本立てが必要
  • 学校名,reference (日本語だと推薦者?) 名は有利.従業員が知ってる校名/人名はやはりそれだけで注意が払われる.かといって知られていることは必須でも無い感じで,あくまで実力勝負.
  • 実際,Cover letter に P@nasonic 宛と間違えて送ってきていた有名校の学部生の応募者は落とされた.
  • 得意技術の説明は資料 (写真,ソースコード) が有効.ソースコードも,さーっと眺めるだけなので,クラス設計の良し悪しのような,よーく見ないと分からないものは少なくともこの段階では見られない.むしろ見られるなのは,あまり使われない関数とか変な文法とかが無いか,嗜んでおくと良いとされるライブラリ (C++ なら boost とか) が使ってあるとプラス,とか.
  • 長い履歴書 (1 ページ以長) でも今日は読まれていた.冗長性はどうでもよく,この企業との接点を探し出す感じ.
  • 特に小さい企業だからか,"一緒に働きやすそう" は無視できないらしい.必須じゃないが,会話が弾む人の方が印象は良くなる,とある社員は言っていた.

関係ないけど池の写真.池と,その向こうの湖が重なるアート.その名も Infinity Pool.Dallas の植物園で.

急展開.米に残れるか否か

日本ならやっとそろそろ仕事すっか的な頃合いかも知れないですがこちらはもう仕事第一週の金曜を迎えます.
先日書いたように今年は/も就活が最重要ですが,年始早々,今の契約の延長のオファをお年玉的に頂くことができました *1
それはそれで良かったものの,予想外に visa が 3 月までしか有効でなく,延長もそれまでとせざるを得ませんでした (#1 詳細理由).
今の勤務先に 3 月より後も居続けたければ,(1) J1/H1 等雇用主にスポンサーとなってもらい visa を取得する,(2) 自分で visa をどうにかする,の二択のみです (オファを新たに頂けるという根拠のない前提ですが).或いは勤務先を問わず米国に残りたいのであれば (3) #1 に書いた STEM Extension が使える雇用主からオファを頂く,というのもアリ.
直属上司に早速訊いてみたところ (先日書いたとおり年末に沢山働いたので今は聞き易い),J1 はスポンサーした事がある,ただし当然フルタイム採用のステップを踏まねばならん,フル T 採用過程に進むにはもうちょっとアウトプットの量が欲しいネ,とのこと.まだ 2.5 ヶ月しか働いてないから当然といえば当然ですね *2.もうひとつの H1 の方は取得できる時期が秋と決まっているため今回はありえない.
というわけで急展開ですが米国に残れるか否かが急に切羽詰まってしまった.(1) 〜 (3) どれも検討しつつ猛進します.1 〜 3 月はこれに集中すべく今までより更に色々諦めなきゃいけなそう.特に,ぜひ今の企業にそのまま居たいので,アウトプットを沢山出すべく仕事を頑張ります.



#1 私は学生 visa が認める卒業後トレーニング期間,通称 OPT で就業しています.OPT は卒業後 12 ヶ月有効で,ただ私は色々あって *3 2 ヶ月短い 10 ヶ月,つまり 3 月いっぱいまで有効です.また,OPT には STEM Extension と言って,科学/工学系専攻の学生は最長 17 ヶ月さらに追加で OPT を使えます.ただし STEM Extension を適用するには,雇用主が連邦政府に E-Verify という制度を通してその旨を申請していなければなりません.
私はてっきり,しっかりした活動をしている今の勤務先のような企業ならどこでも E-Verify に登録しているだろうとたかをくくっていましたが,念の為調べたところ登録しておらず,人事担当者に確認したところ,主に法務的な理由で登録しないことに以前決めたのだそう.

*1:ところで,1 月が会計年度始まりな米国では,仕事探しは新規採用の予算が決まる 1 月を狙え☆,という助言をたまに聞きます.だからか知りませんが,今週だけでリクルータからの連絡が 5 個もあった.いくら何でも多過ぎ.残念ながらどれもちょっと自分に合わなそうですが.

*2:ちなみにインターンから正規採用となった人はこの企業にはこれまで何人もいますが,それらの殆どがインターンを二期,つまり合計 6 ヶ月以上行っている.それらの殆どが博士持ち.知る限りではあるが修士卒でインターン一期のみで採用された software 方面の人は居ない.まあこの学位の差,インターン歴の差は,逆に職務経験から得たものを現業に反映してみせれば大丈夫だろうが.

*3:卒業前最終学期に OPT を利用開始できる制度,通称 Pre-graduation OPT または単に Pre-OPT を使用済.これを使うと在学中でも働くことができる.私は結局これを使って就業することはなかったが,申請して認可は受けていて,その認可された期間分が引かれる.

2013 年抱負

ブログ更新頻度が年齢と反比例・新陳代謝と比例して落ちていますが,今年もよろしくお願いします.
年末は家族が帰った後は仕事に明け暮れました.その甲斐あったか (?) 所属するチームは最新版ソフトウェアをリリースしました.
ROS (Robot Operating System) Groovy Galapagos
ROS シリーズの 6 版目ですが,今回は絵がとびきりファンキー/ヒッピーです.早速 T シャツがオフィスで配られましたが,オレンジ色地にこの絵が印刷されたシャツを今後一体どれだけの人が着こなすのか,注目です.
世界中のほとんどの国では 2013 年元旦のリリースとなってしまいましたが,発表されたのは西海岸時間で 12 月 31 日午後 10 時.ぎりぎり 2012 年です.
私はリリース担当チームのメンバー (インターン) として幾つかのモジュールを作った他に,古いチュートリアルのオーバーホールもしました.量が多かったり,かなりのサンプルが動作しなくなっていて原因を探ったり修復したり*1で,大変でした.まあ東海岸の実家から遠隔で仕事をしていたマネジャーがそれを汲み取ってくれたらしく,ユーザ用メーリングリストで名前入りで告知してくれました http://goo.gl/D8YKI

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年末年始を米国で就職した状態で過ごすのは初めてでしたが,正月以外は休みにならない (休みとる人は多いが) ので,Facebook などで日本の人々の豪華な休暇っぷりをみて随分と温度差を感じてます.



さて,今年の抱負などと上級のタイトルをうっかり付けてしまったので真面目に今年の目標を語ります.とその前に,2012 年は個人的には思いがけず上り調子のいい年になりました.今年はさらに上っていければ良いですね.今年の目標は:

  1. 米国内でフルタイム就職

これに尽きる.
去年 5 月に大学院修士課程を卒業後,2 つのインターンシップを経てきています.インターンは福利厚生が基本的に無く,学生扱いなので仕事の責任も少なく,バリバリやりたい身には物足りない面もある.何より期間限定なので就活は止められず,気が休まりません.
気が休まらないというのは言葉で書く以上に重く,仕事以外の,趣味や人との会話に集中するのが難しい場面がだんだん多くなってきました.これはいかんので何としても今年は身を落ち着かせます.
また,米国内で外国人として就職するためには色々制度的制限 (= visa 問題) をクリアすることも必要になります.
プライベート面でも,機が熟してきた事があるので,そちらのステータスにも変化があるでしょう.



その他,小さな new year resolution は,昨年のものを以下レヴューします.

1. 毎週隔日で酒を呑む (Serious Dull からの再脱出
2. 毎食自炊
3. 減量 (155 lbs 切り,つまり 10 lbs 減)
4. ハーフマラソン 90分切り
2 はほぼ達成,それ以外は頓挫したので今年に持ち越します.ハハハ.
あと,もう一個追加しよう.

5. 1:30 am 前に寝る
遅くまで起きてると疲れが抜けんけんの!
今年もよろしくお願いいたします.

*1:チュートリアルの更新は,本来は該当する各モジュールメンテナンス責任者の仕事といって良いが,オープンソースコミュニティ,まだそういう責任が明文化されてません.