30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに Georgia 州から遠隔勤務.

西口投手引退

しばらくバタバタしてて日本のニュース見てなかったら (というかそもそもこのブログも一年以上書いてなかったらしい),西口 (文也投手,プロ野球西武ライオンズ) 引退してました (´・ω・`).

ついぞ目の前で勝利投手になるのは見られなかった.

惜しかったのは1997年対ヤクルトのオープン戦,ホージーwに一発浴びて0-1敗戦.ちなみに同年の日シリも両チームの対戦で,直接見てないが第一戦は似た感じでテータムに一発喰らって0-1 (ヤクルト投手は後に西武で引退する石井一).観戦に行った第5戦は確か3回持たず KO だった気がします.

その後もどういうわけか私が球場で見る度にメッタ打ちでした.日公のビッグバン打線オバンドー・ウィルソンに連続場外ホームラン喰らったり..(ちなみにその試合の捕手は和田一浩).最後に見たのは2014年5月の西武ドーム対巨人,劣勢の8回に中継ぎで出てきて,球のスピードあるなあと思っていたがストライクが入らず四球の連発で最後はセペダ?に一発くらい1イニングで5失点とかで,その年の最後の登板になったはず.

世間ではやたらとノーノー/パーフェク投未遂で記録に残る投手,とかってことになってますが,西武ファンとしては20年在籍し続けた宝のような存在で (20年ぶっ通しで西武だけに居た選手って,おそらく他は伊東勤捕手くらいでは?),好調だった2011年に182勝目をその年の11勝目で挙げた時は,いよいよ200勝いくか,と思ったのでした.そこから何がどうなったか情報が限られるファンとしてはわからないんだけど,年齢と体力というのは一流選手にとっても大変な問題なんでしょうね.

初めて西口選手を知ったのは新人の年のシーズン最終盤に完投 (完封?) 勝利を収めた試合のニュース.凄い軽くて動きの大きな投球フォームに,何か得体の知れない感じを覚えました.翌年の大活躍によってファミスタでもの凄い曲がりの大きい変化球が投げられるようになってて,ゲーム上では酷使しました.1999年に松坂投手が入団しても東尾監督はエースはオツ,と言っていた通り大事そうな試合はしばらく西口でしたね.

あと,個人的には一流の活躍をした選手が脇役に回りつつもずっと現役を続けるというモデルがとても良いなあと思っていて,最近は40過ぎて脇役で頑張るかつての看板選手が多くて凄い良いと思うんですが,西口投手もまさにその口ですね.どう見ても先発型でましてや200勝が近かった彼が,勝利投手になる確率が低い中継ぎを買って出るという姿勢に,自己記録以前に野球というスポーツ・仕事に対する誇りのようなものを勝手に感じてました.

[robotics] 起業一周年

先日2014年8月8日は私達の興した協会の一周年でした.一年間なんとか持ち堪えることができお客様はじめ周りの方々に感謝するばかりです.そもそも起業することにまるで興味がない人間でしたが,そういう状況になったため頑張ってみています.なんとか運営できているのは他の創業者達のおかげ.

個人の話としても,この一年間はこれまでの人生でもひときわ変化ばかりでした.とりわけ,一生涯に渡る決め事を三つも行った:

  • 生涯の伴侶を得る.自宅は米国,仕事は東京なので,日米間を行ったり来たりしています.
  • 創り主を信じるに至る.
  • ロボットを一生の仕事と決める.
  • 屋根裏のハクビシンとの格闘,意外な結末

最後のはどうでも良さそうですがw,40歳を目の前にして新しいことばかり,日-米往復,東京-栃木の往復 (日本にいる間は実家から東京のオフィスに行ってます) など,めまぐるしい毎日.朝起きた時に今自分がどのタイムゾーンにいるのか,どの県にいるのか判らなくなる時はしょっちゅう.

ロボット業界に転身してそろそろ五年経ちますが,この一年の仕事は産業用ロボット方面で,これまで扱ってきた技術ともまた違っているので日々勉強です.この一年で教科書何冊か買いました*1.ロボットは極めて工学的なので,この業界で周りで仕事してる方々達も,高校・大学と数学は学年トップレベルでした,みたいな人ばっかりで,かたや自分はこのブログタイトルでも分かるように30歳過ぎて工学に転身した身*2.周囲に付いて行けてるのかすらアヤシイですが,一方で,自分みたいな人でも居場所はあるのかなと;どんどん先に行きたがる秀才な人達があまりやりたがらない細かい仕事を,盆栽な自分が怠けずにきっちりやることで,業界の穴を少しでも埋めて来れているかなと思っています (そしてそういう細かい部分が,システムを実用的にするかどうかにおいて結構大事だったりするのかも)*3

そして今やっていることを生涯の仕事にすると決めることもできた一年でした.秀才達とは脳の作り/センスが違い過ぎるので絶対追い付けないと気付いたけど,経験を重ねることでソコソコまともなロボット屋になれるかも,という期待を持つのに十分な経験を,この十二ヶ月で踏むことができた.33歳で仕事を辞めて工学留学した時もその後も暫くの間は,将来腰を据えて何かやるようになるのかどうかすら見えていなかったですが.いろいろ運が重なり,これ以外あり得ないだろという状況に来れた;ロボット界で (工学界で?) Isaac といえばアイザック・アシモフですが,世界のオープンソース・ロボット業界で Isaac といえば何番目かに自分が想起してもらえる状況 (含む大妄想).あーでもないこーでもないと試行錯誤し,地を這うような毎日ですが,そのくらいやらないと自分ごときには見えて来なかった結論でした.

地道にあと40年やっていけるよう祈りつつ.2054年にはいろいろどうなってますかねー.

或る蒸し暑い日本の夜,人知れず実家の壁でアブラゼミが大事な時を迎えていたらしいです.地下に七年地上に一週間.この一途さに比べればふらふらしてきた自分の人生なんて恥ずかしいわい.

*1:これまで工学の教科書といえばアメリカの分厚いのばっかりでした;説明が十二分にされてるので何度も読めば結構いろいろ解るんですが,ささーっと読むには長いし,何しろ重たい (物理的に).日本にいるので最近日本語の教科書も買うようになり,コンパクトにまとまっていて使い易い・一方深く理解するには他の資料をあたらないといけないことも多い,というのを発見しました.一長一短ですね.

*2:日本は幸か不幸か企業のソフトウェア開発者採用が理工系バックグラウンドを要求しないので,いわゆる文系出身でエンジニアのタイトルが付く方がとても多い.その是非はここでは問いませんが,ロボットのような物理を伴うシステムの開発業界は,これまでのところは少しも数学知らない人が開発できるようにはあまりなっていない.ただし,基幹系,WEB 系等の大きなソフトウェア分野がそうなったように,ロボットソフト分野も今後は間口が拡がっていくと思います.そうならなくてはならない.

*3:よくよく見てると,秀才な人達が集まる組織内においても,同じ力学は実は働いている;秀才達の中でも秀才階層が発生し,微妙に役割がわかれていくようです.去年までシリコンバレーのトップロボット企業に在籍できたのはそういう観察をできた点でも自分には意味が大きかった.

つまみ食い議論だと深まらない (集団的自衛権容認騒動に思う)

最初に認めますが政治はじめ日本国内ニュースを熱心に追っていないので,認識が極めて甘いかも知れませんがご容赦を.

久しぶりの日記投稿がなんとおそらく史上初の政治ネタ.日本の防衛方針が変わるかもとあってはさすがに関心を持たずにはいられません.明日も仕事で早いのだが大事な話,書いておきたい.

一応問題意識持ってる人のブログっぽく見せるために,記事へリンクなどしてみます.

特集ワイド:集団的自衛権、どこか人ごと!? なぜ議論が盛り上がらないのか -- 毎日新聞

この記者さんは良いですね;私のような意識低めの市民ですら今回の騒動について思う沢山の "おやっ??なぜだろう","うーんここがわからない" とかをずばずば攻めている.

さて,私が今回話題にするのは,政府の決定内容そのものはではありません;決定内容 (集団的自衛権の行使容認解釈) について意見するにはまず色々な背景を理解してからでないと意味がなく,私は未だ色々解ってなさすぎる.そうではなくて今回気になったのは,議論が急に始まったように **見える** こと.

私情ですが結婚しまして,妻はアメリカで仕事をしており私の仕事場は日本.比較的私の仕事のほうが融通が利くため私がアメリカと行ったり来たりすることにしており,今月も私が彼女を訪ねていて先週帰国したばかりでした.帰ってきて早々にテレビで突然,安倍政権がこんな大事な決定を数日後に行うと,初めて知りました.

しっかり日本のニュースに関心を持ち続けている人なら,"違うよこの件はもう数カ月も国民レベルで議論が続いているよ" というかも知れない.そうであって欲しい.私が間違ってると思いたいけど,私にはついここ一,二週間でメディアが本格的に取り上げだして始まった議論なのでは?と思ってしまった.国民レベルでの関心事は Facebook (FB) 上での投稿の多さから知ることが実は多いですが,二週間前にこのことを FB で複数回取り上げた自分の FB 友人は多くないように見える (これもすいません,FB そんなにチェックしないので不正確です.べつに話題にしなかった FB 友人を責めるつもりは毛頭ありません!そこが私の関心ではない).活動的に発信や抗議活動を行なっておられる方も存じてますし,書かないだけという人が実際は殆どだろう,しかしここではあくまで "一般的な発信量" を話題にしています.

ほんとのところどうなのか.日本は (アメリカもそうだし,それで全然良いと思うけど) 国民レベルの関心事になる事象はメディア次第だと思う.なのでニュースメディアがどれだけ "集団的自衛権" について取り上げてきたか,数字を出してみる.

自分は日本の三大紙からは毎日ダイジェストメイルが届くのですが (ちゃんと毎日読めよ自分!),"集団的自衛権" を含むメイル件数を月別に調べた:


2014年
6月: 78件
5月: 81件
4月: 38件
3月: 26件
2月: 21件

さすがにここ一,二週間ということはなかったが,二ヶ月前から急にスパイクしてるように見える.

"自分に届くメイル件数" じゃあまりにも個人的すぎるので,Google Trends を使ってみた;2014年7月から過去12ヶ月の結果.

(Google Trends へのリンク)

閣議決定前最後の一週間の報道量を 100 とすると,その前週は 14.五月に一時的に 28 になったりもしてるが,超直近に突然議論が増えたほかは,全体的に低いように見える.

二つの情報ソースどちらもが,直近のみの急な盛り上がりを示しているように見える.


だらだら書いてきたけど時間も無くなってきたので,日本世論についてずっと気になっていたことを.

日本社会や国民について良い点/素晴らしい点は山のようにあると思うけど,一方でまずいと思うのは,大事な議論が突然始まり,短期間で終わること.

国政選挙の度にずっと感じていて,特に六年前からアメリカに住むようになりその違いに気付きました; かの国では4年に1回の大統領選挙を,ほぼ1年前から行い,その間当然のごとくテレビのトップニュースは大統領選になる.かなり飽きる.候補者は家族含めて身ぐるみ剥がされる.ミシェル・オバマの髪の巻き具合の微妙な違いにも気付くようになる (注: ならねーよさすがに).かなり飽きるし,長過ぎ・力使いすぎ,という点に批判もあったりするんだろうけど,一方でそのくらいエネルギーを遣って決める大事なことなんだという意識も国民に植え付くと思う (私程度の意識ヒクオにすら関心を持たせるくらいですから).アメリカに住んでる多くの人が大統領選について FB ポストするとは限らないけど,みんな何かしら思いを持つ.持ち続ける.選挙戦の一年の間.

一方日本.国政選挙の報道は一ヶ月くらい前から突然活発になる.その間は FB ポストも選挙がちらほら話題にされる.そして選挙が終わると,二週間後には誰も選挙のことは書かない.食卓で話題になっているかは知り様が無いですが.

繰り返しますが国民批判ではありません."私は気になっている" というだけです.私はアメリカに割とカブれている,アメリカン・カブレラ (元西武?) ですが,当然アメリカを盲目的に肯定する気はさらさらないです.しかし,こと重大案件へのコストの割き方,国民の巻き込み方については,なるほどなあと思う.日本は今のこの "つまみ食い" 方式では国民レベルの議論が深まらないのを懸念します.

政局の中に居る方々はどうなのかは,まるで想像もつかない,けれども,毎年首相が変わっている最近の十年間では,なかなか集中して最重要項目の検討が進めることができているのか,心配に思う.

この問題提起が仮に妥当だったとして,どう解決すれば良いのか?は私の範疇を軽く超えますが.

最初にも書いた通り勉強不足野郎の戯言ですので認識不足/誤認があるかと思いますがご容赦下さい.

石の上にも三年,ロボットの上下に四年

ブログを三ヶ月も書かなかったのは記憶に無いですが,忙しくて忘れてました.この間色々ありましたが,米国での五年の留学・仕事を経てとりあえず日本に戻りました (大事な人を置いてきたので頻繁に帰ることにはなりますが).日本での仕事についてはまたその内触れることになるでしょう (わすれなければ) が,引き続きロボットやってます.
世間でたまに "あと十年後にはロボット社会が..." とかしたり顔で言ってる頭良さそうな雑誌とかあるかも知れませんが,多分二十年前にも同じ特集が組まれていたはずで,そんなに甘い分野じゃなさそうです.でも,アメリカの五年間で私は,きっかけと思い込みのおかげで,どういうわけかロボット業界の人に改造されて,日本に戻りました.宇宙がどうの,とか言いながらアメリカに渡ったのにロボット?何それ?,と,移り気だ一貫性が無いだなんだとご批判はごもっともですが,自分が一番意外に感じてるのでこらえて下さるようお願いいたします.

日本の夏といえば鮎と桃.今の夏は鮎をここぞとばかりたくさん頂きました (親爺がいっぱい釣って帰ってきたおかげ).

ROSCon 2013 日本語要約を開始

一ヶ月以上前ですがドイツで ROS 専門のコンファレンス ROSCon が二日間に渡り開催されました.全発表の動画が公開されていて,バタバタして観ることができてなかったのですが,作業の合間とかに見始めました.全部見たら大変な時間量になるので,なんと今日から私が全部みて要約のリストをこのページに作っていきます.更新は遅目かも知れませんが悪しからず..


プログラム一覧と,各動画へのリンクはこちらから

Day1 Track1 01 Alexander Verl - Welcome

  • Fraunhofer IPAオープンソース活動一般の紹介
  • 中国の故事: 道で躓くなら,新しい道での方が良い

Day1 Track1 02 Brian Gerkey

  • (前日迄同所で開催の) ICRA は scientific,ROSCon は engineering を議論してくれ!
  • Lightning talk が一日の最後に開催.早いもの勝ち!
  • ROSCON 参加者; 268 人,33% 増加,35% 学生,45% 職業人,20% その他
  • OSRF 紹介,Public-benefit Non-profit company. ROS と関係する S/W・H/W 開発
  • コミュニティからの OSRF への協力例: WEB・CI サーバホスティング by OSL (オレゴン州立大)
  • Excursion はポルシェ美術館!ディナーもあるョ
  • 次の講演者紹介 (Moveit!,ピンポン・ロボット)

Day1 Track1 03 Sachin Chitta, Ioan Sucan - Keynote: MoveIt!

  • 背景; Personal Robotics - 家庭にロボット,は難しい.しかし移動式マニピュレータ技術の発展が後押し.
  • Moveit! とは?移動式マニピュレータのための動作計画,逆運動学,物体等の 3D 環境知覚による衝突回避,制御,移動を行う software.カスタマイズ容易
  • 以前あったモジュール (/stack) 群,arm_navigation, grasping pipeline,から発展したもの.性能,3D 知覚の統合において.
  • PR2 を使って開発したが,ROS-Industrial で扱う産業用ロボットにも,主に設定値の変更だけで適応できた.
  • デモ

Day1 Track 2 Alexander Bubeck (Fraunhofer IPA) - Improve your ROS code with Model-Driven-Engineering and save development time while doing it

  • BRICS IDE, or BRIDE. Eclipse ベースの ROS 用開発環境
  • ROS node, 設定等を GUI ベースで定義可能
  • ケルトンコード生成
  • OROCOS-ROS にも対応

アメリカの Smartphone を日本のソフトバンクで使う

アメリカで使っている Android のケータイを,日本のキャリアの SIM (Softbankプリペイドではなく通常の契約) で通話・インターネット共に使えるようにすることができました.Hacky な点もあったし時間はかかりました...これをやりたいのは主に英語な人々だろうから英語 blog に書いておきました.
http://gm130s.blogspot.jp/2013/06/using-us-android-cell-phone-with.html



私が世界で一番好きなラーメンは今も昔も変わりません: 栃木県さくら市の "なかや" の醤油ラーメン.

初観戦 男子 10,000m @ Payton Jordan Cardinal Invitational, Stanford

アメリカに来てからご無沙汰してるものの (過去の blog を調べたら Jeremy Wariner を観に行った時以来四年ぶりらしい),中学時代 (20 数年前) から陸上競技マニアでした.特に長距離.で,日本の長距離走の好記録の結構多くが米・スタンフォード大学の記録会で出されたものなのは中学の頃 (はるかむかし) から知ってましたが,今年遂に観戦がなりました.
記録会自体は午後ずっと行われてた様子ですが目当ては男子 10,000m のみ.午後 10 時開始という規格外.最近のシリコンバレー地域は昼間の日差しが強く気温も 80F に達するとは言え,老若男女そろそろ寝る時刻.んじゃビール片手にのんびり観戦か,と持参するもキャンパス内は屋外禁酒とのことで仕方なく真面目に観戦.まあ各日本チーム,早大渡辺康幸カネボウ高岡寿成各監督がすぐ隣にいらっしゃるくらいのピリピリした雰囲気ですから仕方ない.私達にとってはエンタテインメントでも,彼らはこれに仕事の成果がかかっているわけですね.
レースはペースメーカが入りの 3k 3.2k を 8'50 で入った所でリタイア.超スローペースで,アフリカ勢もちらほらしかおらず,これは好記録は望めないのかな?と思ったもののその後トヨタの宮脇選手等がひっぱり 5k を 14 分丁度まで上げ,期待度が上がる.後半 5k は弾丸のような,触れたら吹き飛ばされるようなエナジーを感じることが出来た.結局日本記録まであと 3 秒というところで日本人 2 人含めトップ集団フィニッシュ (記録テーブル).素晴らしいレースでした.思いがけず,早大大迫選手が日本学生新記録を樹立する瞬間を目撃できました.

# 自分で取った写真ではないです.http://farm8.staticflickr.com/7278/6993778328_d4e36b16a6_c.jpg から拝借.3 着だった Nissin の佐藤悠基選手と村澤選手がいますね.Nissin は米国でもカップヌードル食べる人には知られてると思うので,佐藤選手はきっと周りの非日本選手にカップヌードーパワーだな hahaha とか冷やかされるのは間違いない.
やはり Stanford は日本選手にとって記録の出る場所だった.なぜだろう.空気が乾いてて走りやすいんですかね?アフリカ勢が大挙して出走しないのが逆にペース的にやりやすいのか?
それにしても日本からわざわざ監督コーチ等チームでやって来られるというのは,気合が入ってるんですね.以前為末大さんが,非日本の選手は欧州遠征を選手一人だけか,せいぜいコーチと二人で行うのが普通,と言っていたし,陸上競技って一部の超トップ選手を除いて残念ながら活動資金が潤沢なスポーツではないはず.日本の企業・トップ大学の選手は極めて恵まれている,と言って良いのだろうと思います.
大迫選手は卒業後企業に所属しつつ米オレゴン州に練習拠点を移すらしい.かねてから,陸上とくに長距離選手は何故日本を出ないのか?と疑問を持っていた自分としては歓迎です.世界的競争力を生み出すという点においては,駅伝を最大目標とする大学・企業の方針はこの 10 年成功していない.駅伝自体が商売として成功していること・駅伝選手になることを目指すランナーがいる事は駅伝社会の成功だし,素晴らしいと思う.しかし,そういった "駅伝枠" ではなく "世界と戦う枠" を目標とする選手がもっと出てきていいはずとも個人的に思います.学校卒業後に外国で稼ぎながら走るというと,競技に集中する以前の問題が多過ぎて難しいだろうから,高校卒業後に学部留学しつつ走れれば良いのかも知れないが,学部留学だとお金が大変 (博士課程の留学と違い,学部だとよっぽど成績が良くないと奨学金も取れないだろうし) だし,そもそも日本の高校生が学部海外留学を目指そうと思いたくなる情報環境ではない.そういう意味でも日本の企業の所属とはいえ英断した大迫選手には成功し,道を拓いて欲しいですね.