日本の長距離走が駅伝に過熱していることには,自分なりにケリをつけたものの,それ以降特に興味が復活していませんでした.しかし最近記録面で進歩が著しいらしく,高校大学実業団の各層で新記録が沢山出ているそう.Google Assistant に陸上競技を入れていてかつ日本人なのも判っているためか,日本の陸上競技のお勧め記事が毎週出てくるので知りました.
あと数日で日本では箱根駅伝ということで,少し状況を覗いてみたら,贔屓の順天堂が予選会の過去最高を更新したとかを差し置き,数多あるニュースの中でコメントせねばと思ったのは筑波大学のここ数年の躍進.義家族が筑波大に縁が深く私もほぼ毎年筑波に滞在するのもあるし,医薬理工系の学生さんが大活躍してたりして,なんか幾つも興味が湧く点があって色々見て回ってしまった.
- MVP にあたる金栗四三杯のモデルの金栗氏,NHK 大河ドラマいだてんで脚光を浴びたが,そういや東京高師,現筑波大学の卒業か.なおドラマは米国からでも観てました.視聴率が低迷したり色々批判もあったようだけど歴史に残る快作だったと思う.
- 2019年には予選会を勝ち抜いて箱根本戦に出場してたとのこと.医学部の5年生も出走したとのこと.5年生ってもう病院に実習に出る頃ですよね?一体どうやったらトップレベルの競技力を維持できるのか?異次元すぎる.
- 私の母校宇都宮高校を創設以来初めての県高校駅伝で上位に導いた時のエース平山大雅君が2020年に入学.
- 2020年は予選会を僅差で惜しくも敗退.しかし個人10位以内に2人入賞.その内のひとり猿橋拓巳選手は理工学部.同じ理工系としてこれまた異次元すぎる (競った相手の贔屓の順天堂のこれまた異次元な新人が20歳以下ハーフマラソン日本記録だったというのも…理工系でもトップ競技を争えるのかと).
- そもそも長距離部門?の監督が弘山勉氏になっていたらしい.栃木県男子長距離走のスターのお一人.いつぞやの福岡国際マラソン?で当時世界最高記録保持者のデンシモとラストまで競ったのはまだ覚えてます.その後ご夫人・弘山晴美氏のコーチに専念するため引退し,彼女の引退後に40歳前後でお父さんになられたはずというあたりには親近感も湧く (でも監督とかしてたら流石に主子育ては勉氏ではないのかな).
過熱する日本の駅伝人気の渦中にある多くの学校には,誤解を恐れずいうと,古くから認知されている大学にとっても新しい大学にとっても,駅伝 (や他のスポーツ) には受験者獲得のための広告塔という側面があるんだろうと察します.競争のために,多くの学校では授業より競技を優先できる環境になってることと思われる中,筑波は多分そうではないし,ましてどこの大学でも医薬理工系は実習系無しに学部を卒業できないだろうからどうしても課外活動の時間は少なくなる.そもそも長距離走は長い距離を踏んでなんぼなところがあり当然拘束時間は (少なくとも他の陸上競技に比べ) 長めになり,"文武両道"に不向き.更に筑波は国立大学で,推薦入学などの学力試験が簡略化される制度も無いでしょう.色々な制限の中で勝ち上がったことの価値は大きいよなあと素人ながら思います.
米国から日本のニュースを気にし続けるのは言うほど易しく無いんですが,平山選手が在学している間忘れずに注目を続けようと思います.