30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに Georgia 州から遠隔勤務.

ラストゲーム 最後の早慶戦 試写会

公式サイト http://www.lastgame-movie.jp/
勤め先で行われた先行試写会に参加しました. 一般公開は8月だそうなので随分早い試写です. 山崎理事の挨拶の後, 塾員(慶應卒業生の呼称)で出演者の三波豊和さんの司会で, 神山征二郎監督, 主演の渡辺大さん, 原田佳奈さんの舞台挨拶があり, その後試写.
以下, 感想のみ.
柄本明さんが, イイ...芝居のことはよく分からないけど, あれは迫真の演技でしたと声を大にして言いたいです. 心痺れました.
ベンガルさんが, 小脇を締めている. 戦争だけど悲壮過ぎず, 学生や庶民が懸命にだけどどこか滑稽に生きる様は, 岡本喜八監督的でもありました.



ところで, 以降は極めて私的感想になりますが,
今夏からアメリカに渡ります. 日本を1ヶ月以上離れるのは産まれて初めて.
正直, 日本を誇りに思っている自信が無い.
アメリカ人になっても良いと思っているかも知れない.
だから, 帰って来なくても良いかなーと思っています. アメリカにずっと住むのでも構わないと. したがって限定期間の滞在を指す"留学"という言葉は使っていません. ほんとにそれで良いのか, 自分でもよくわかっていません.
でもほんと不思議なもので, いざアメリカ行く決心をしてから, 日本じゃなきゃ得られない体験や物, 日本人としての責務のようなものを感じるようになりました. その1つが今日の映画.
舞台は太平洋戦争の最中. 学生達は戦況が劣勢であることに勘付いている, 出陣することは二度と還って来れない可能性が高いことを意味している. どう考えたってポジティヴになんてなれない状況. なのに白旗を上げようとしなかった政府.
何箇所かで泣きました.
なんて悲壮な学生達
野球をやらせてあげるくらいしかできない大人達
ああ自分はなんて幸せだ.
すべてサポートされた状態でアメリカに行き,
何の役に立つのかまったくわからない学問に時間を割く.
御国の為に散った青年達の想いを, 受け継ぐなんて重いことはできないものの, 想いを馳せ, 悲しみ, 悔しがり, 今後の自分の行動を見詰め直すくらいはできます.

なお, この映画では戦時中に起こった早稲田と慶應義塾との間の際立ったできごとをたまたま取り上げていますが, 両大学関係者に限らず戦争はほぼすべての日本人の心の傷だと思う.
とは言え母校が舞台であることが, ただならない気持ちを喚起します.
劇中では早稲田の応援歌"♪都の西北〜" や慶應の "若き血" のアツい斉唱がひとつのグッと来るところです. KO関係者であることでより一層, 関心を呼んでる気がする.

今年は私にとって新たな挑戦の年.
高校卒業時に浪人した時も自分をモチベートする為に 4月に真っ先に訪れた, 初めての神宮球場で, 早稲田と慶應の応援歌が心熱くしてくれた.
あれから14年経ったいま, 又両校の応援歌に背中を押してもらうような気持ちになるなんて


終戦時に6歳だった父は, 戦争関連の映画を, 想い出してしまうから, という理由で観ないのですが, この映画を父に勧めたい. なんで勧めたいんだろう? きっと学生達と大人達が前向きだからです