30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに Georgia 州から遠隔勤務.

大学付属語学学校(ELI)概要

テキサスに来て2週間経ちました. 忙しいです. 宿題が多い. そして英語が聴き取れない + 速読みできない. このままだとヤバいので焦ってます.
今日はこの2週間の大半を捧げている, 語学学校について概要を書いてみます. 大学付属の語学学校は通常 ESL と呼ばれることが多いけれどもここ(UTA)では ELI(English Language Institute)という名称です. 女優の稲森いずみさんがかつて通ってたそうですが, 先生に御存じかどうかまだ伺って無いです. 17年前のことらしいけど, 皆さん物知りなので覚えてそうな気がする.
授業は3種類: Grammar/Writing, Reading, Listening で, 7月末までの10週間コースを受けています. 生徒は, 単なる語学留学/修了後学部入学/終了後大学院入学 という3パタンで, 先日書いたとおり西から東までのアジア人が殆どです.
以下, 各授業について.



Reading.
"To Kill A Mockingbird"*1 という小説を週一回授業で扱います. その予習として毎週月曜までに 3〜4章分宿題として読むのですが, 2時間で 20p しか読めない...周りの asian 生徒達はどのくらい時間をかけて読んでるのか, 未だ訊いたことはないけど, おそらくもっと速い上に, 私よりも正確に内容を, 詳細まで掴んでくる.
その他に週一冊 novel をさーっと読むことも求められ, さっきも Isaac Asimov の novel を3時間読んでたのだが, 30p 弱しか読めなかった...元々日本語でも読むのが遅いのですが, これはまずい. 努力で速くするしかないと思って, 読み漁ります.
実際, 読んだページ数は速読力向上に効いてくるらしく, 宿題で読んだページ数を記録して提出します. 私のクラスのレベルで求められているのはこの学期中で700ページ. いや〜, 他の数多の宿題に加えてこのページ数も読むんですから, 鬼ですね.
その他, 教科書もあって, ここからも宿題が出る. 小野ですね, 打ち間違えましたね, 鬼ですね...

さて, Wrinting.
writing のクラスだけ, Dr の先生に教わっています. 他は Master です.
教材はこれです:
[rakuten:book:12296069:detail]
# amazon.co.jp だとなんと 35,000円 でしたけどいったい日本での定価はイクラなんだろう?
portfolio と呼ばれる, 一定期間中の成果をひとまとめにしたものを 2週に1回提出します. 内容は週によって異なるのだが, いづれも作業量が多く, 最も生徒を苦しめます.
しかしそれ以外に daily に宿題が必ず出ます.
授業内容をざっくり言うと, report や thesis を書くための定型の習得です. 学術界では特に, 大天才とかでない限り, 定型書式と異なっていたり, お決まりのお作法を踏襲してないというだけで門前払いを受ける世界なので, とても重要です.
私は遅れて渡米したため2週前から授業に入ったのですが既に開講後第4週目でして, この2週間で summary, annalysis, reference を書くときの定型を学びました. 今週は argument です. 毎週新しい定型を学びつつ, それを用いて文章を書き, portfolio として提出します.
とにかく書く量が多いです. 先週の portfolio は 2000 words 以上の essay の他, 500 words 以上の journal を4本, その他細々としたドキュメントも併せて入れたため, 5,000 words は書いてます. 大雑把に見積もっても A4 10枚 です.
しかしおかげでたかだか二十歳前後の卒業生が, おそらく日本の修士学生よりも (内容はともかく) きちんとした形式の学術的文章を書けるようになるんじゃないかなー. 日本では学術的文章の書き方をこのように体系的に教わるとは聞いたことがないのですが, どうなんでしょう.
writing も reading も量的に非常にハードです. 語学学校は学生に応じてレベルが6つあり, 私は運良く + 年の功で listening も含めすべて Lv6 なのだが, 生徒の多くが Lv6 は Lv5以下に比べて宿題量が違う, と言っています. それに何故かアメリカ人も Lv6 は大変だよーと言ってくるので, そういうものらしい.
というわけで, 日本の大学の教育プログラムとしてはなかなか受け入れにくい量だと思います.
Reading の授業では, 先生に対し抗議した学生がいたらしく, 宿題量を減らすかどうかを学生の意思で選択できるという応急処置が今週とられました. 私はむしろ量が多いのを選んだけど, でも英語以外の他の勉強もしたい学生にとっては抗議もやむなしだったのかも.
# 私だって数学と物理等をやらねばならんのだがー!!
以上, やや愚痴に聞こえるかも知れませんが, 素直に先生方に従って勉強してます.

*1:映画にもなっていて邦題は "アラバマ物語". 日本で DVD で偶然観てましたが, "こんな子供に尊敬される父親になりたい〜" と思わせる快作です