ひょんな事から偶然 10年以上前の先輩の blog を発見し, 英国の名門校で MBA をお取りになったとのこと. Top校 で忙しくしながらも, 週数回 blog も更新しかも中々の文章量だったので, ご挨拶を兼ねて blog に対する気構えを伺ってみたら, 1度しか無い貴重な経験を記録しておきたかった, 日々刺激的なことが起こるので忘れないうちに書いておきたかった, といった趣旨の返答を頂きました. 1点目の回答には目が覚まされます. そう一度しかないし, 特に 1年間で卒業する方の時間感覚は, 学部+修士で 3年+α と考えている私の比では無いんでしょう.
2点目は, きっと教員や学生の意識が高い + 同じ方向をある程度向いているのでしょうね. 羨ましい...私が今の学校に来て以降ずっと悩んで来たことに絡みます. ロールモデルあるいは良きライバルとでも言うのか, この人みたいに(ある程度以上)なりたいな, この人考えてることが同じ方を向いてるな, この人面白い, でも負けないようにしたいな, と感じることが少ない. いや, 環境のせいにしてるだけで, 実際はそういう機会があるのに気付いてないだけだと思います. しかしすべては自分のせいなのを承知の上で愚痴を言いますが, "アメリカの大学" と言った時の私のイメージは "世界中の優秀な学生が集まって研鑚し合い, やがて国やその産業, 或いは世界を背負うために散らばっていく" というものでした. 私と同時期に渡航準備し, 色々相談し合って来た東海岸の名門大学に居る "時" 君は, 大学のオリエンテーションで "人間関係を作る" ことを強調された, との旨のことを言っていました. UTA のオリエンでそんな話は一切無かったなあ. どうやらこの大学は違います. アメリカの地方の公立大学であり, 地元への貢献が第一の存在意義であり, 手にスキルを付けさせることがその実現方法なのでしょう*1. そして地元産業に就職していく人や, 地元で仕事をしながら通っている人達が多いように感じます*2. だから将来に対するの考え方が異なるのも仕方ないのかも. まして学部低学年の若い学生は色々模索してる段階ですから, なかなか. 前述の "時" 君とのメールのやり取りや, 海外進学中/後の方々の blog を読むにつけ, 皆さんが日々授業やクラスメイトとの会話の中で世界や地球を話題にしている時に, 私はテキサス(のどのファミレスが美味しいか)を話題にしているのかと, 意識の違いに愕然とします.
私はなにも "国を背負う" とか "宇宙産業を牽引する" とかそんな大きなことは考えていないし, そもそも言えた立場ではないですが, テキサス州ダラス近辺のローカル企業に就職したくて来たわけではない. 工学の基礎の基礎を習得し直してより高位の大学院に進むための準備することがここに居る目的です. 実は UTA にも Systems Engineering の M.S. コースはあるのだが, 失礼ながら活気を感じないので受験しません. やるからにはハイレベルに行きたいというのは真っ当な希望だと思っています.
ややネガティヴな内容になってしまったものの, 前述の通り自分のこれらの不満は自分がうまく立ち振る舞えていないことに最大の原因があると思っているので, 地方公立大学を批判する趣旨はまったくありません. むしろ(言うまでも無く)ここの学部で学ぶことは学部で学ぶ内容として非常に価値があると感じていて, 敢えて遠回りをして学部からやり直したことは, 決断した時から最近まで 100％ の自信を持てていませんでしたが, 今は(私個人にとっては)正解だったとさえ感じています. 追々書いていきます.
*1:そういった地元に貢献する学校であるという性格は留学生にとってはデメリットなことが多いのかも. 学費は州内出身者とその他とでは 2倍以上違います. あと代理人から聞いた話ですが, 地元出身の人達なんだから生徒同士で勝手に仲良くなるだろう, という前提が dominant なので, 学生間の交流を促す仕組も留学生がより多い学校に比べ活発ではないんだそうな.
*2:UTA が配信している公式の統計によると, 地元の Dallas郡と Tarrant郡出身者が全学生の 64%, テキサス州出身者が 89% を占めています. ちなみに 47% が白人, 留学生は約 9% でその内 42% はインド人, 日本人は 67人でその内の 3% 前後. 08年度版統計: http://www.uta.edu/irp/factbook/2008/ch2/CHAP2ALL.XLS
