30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに Georgia 州から遠隔勤務.

学部生が数学の問題を解きまくる理由(の一部)

微積分II の第一回試験を金曜夜(泣)に控え, 脳が沸騰しそうになりながら夜な夜な問題を解きまくっています. 十数年前の高校生時代に既に気付いてましたが, いまさらながら自分の "数学的センス" の無さを嘆きつつ*1.
そんな柔らか脳(?)が今日突然気付いてくれたのですが, なぜ難解な数学の問題を数多く解かねばならないのか(日米問わず). それは, 複雑怪奇な実社会の問題を目の前にした時, ぱぱぱっと解決法のヒントを思いつけるようになるための訓練なのではないでしょうか. 必ずしも解決法そのものではなく, 過去に目にした事のある抽象化されたモデルを想起すること, そしてそれらのモデルごとの解決法の組み合わせをさささっとイメージできるようになること. 数年以上業務をやっている方なら多かれ少なかれそういう感覚はお持ちだと思いますが, 我々学部生はそれを数学という極度に抽象化された対象を使って行っているんですきっと.
現実世界の問題からややかけ離れた "数学の試験問題を解くための数学" ばかりを繰り返す学部の数学の意義は一体なんなのだろうと私は常々疑問に思ってました. 大学院の数学は(専攻にもよるが私のいく分野では)実践問題が主となる, というか数学はツールになりそれ自体が main subject ではなくなるわけですが, そもそも学部でのこうした下地が無いと中々きついのだろう. 私は数学から離れて特に間が開いていて, GRE 試験の数学準備をしたとしてもそれではエンジニアリングの修士課程に行くには不足だっただろうな. ということで今日も学部編入した自分の特異な決断を肯定して自己満足しています.
もう皆さんとっくの昔にそんなの気付いてたよ, って話かも知れないし, 数学を学ぶ理由は他にも幾つも思い付くし,このネタは今後も考え続けるので(考えざるを得ない. だって宿題多くて辛いんだもの...)更新されますが, まずは明後日の試験だ.

*1:情報業界で働いていた, というと皆さん "じゃあスーガクはお手の物ですね" と言って下さるのですが, 実は数学を直接的に業務上使う機会は私の場合とても少なかったです. 日本の情報系エンジニアの数学的能力については色々な方が既に意見を述べておられるし, 今日はひとまず置いておきます.