30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに Georgia 州から遠隔勤務.

向井千秋博士の旦那さまの本

延び延びになっている若田飛行士搭乗のスペースシャトルの打上日がまた仮に設定され, 3月11日(水曜)になりました. 学校が丁度春休み直前で大きな試験も無いため, フロリダまで観に行くかも知れません. 授業は幾つも欠席する必要があるものの, あと数回しか無いシャトル打上ですからどうしても一度観てみたい.
ところで古い本の紹介.
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一般的な感想は色々出てるのでそれらに任せます. と言いつつ少し書くと, 宇宙飛行士の身内の方が書いた本は貴重と思います. 飛行士自身や身内の生活や悩みが真面目かつユーモラスに描かれています. 何度も笑った.
プロジェクト管理の観点で気になるエピソードを一つ. 1回目の飛行で向井元飛行士は 82個の科学実験を 14日間の宇宙滞在中に行いましたが, 彼女は自分専用の実験の副手順書を作って持参したそうです. というのも, NASA と実験担当科学者は当然公式な実験手順書を作りますが, 各関係者ごとに書き込みしたくなる, しかしその箇所や内容は異なるのが常, したがってシャトルに搭載される手順書は 1セットのみ, しかも書き込みは許されない, ということのようです.
この話は作業手順のドキュメンテーションについてですが, 他の何らかの "仕様" を記述する文書すべてに共通する話かと. 内容を網羅しかつ簡潔で分かり易いそれでいて誤解を生まない文書作りがいかに難しいか, そして現場の経験によって得られた知恵すなはち "ノウハウ" が如何に大事か. 面白おかしい著書の中でも気付かされました.