30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに Georgia 州から遠隔勤務.

ノートの取り方改善

大学生やり直し始めて1年経ち気付いたのですが, 私, もともと学校でオール5 とかオールA とか, 良い成績取る生徒じゃなく,むしろ気が向いた科目にしか精を出さない偏食野郎でした. しかし今はそれじゃいかん. 行きたい大学院に進む為には良い平均点を出す必要があります. 成績が思い通りに上向かない事の要因は複数ありそうですが, その一つとして次の点が挙げられます.

  • 何を習ったかを覚えていない

致命的ですね...ともあれ改善のため,ノートをしっかり取ろうと思います. この1年のノートの取り方は, 使用したツールごとに分けると { N1: 所謂大学ノート的なノート, N2: パソコンのテキストエディタ, N3: 配布印刷物 } のどれかだと思います. 結果から結論を言うととにかくこれじゃうまくいってない. N1 は汚いし整理できてないしで見返す気が起きないし N2 はメリハリがわからないのでどこが強調点なのかぱっと見わからない, etc. ということでどうしたらいいのか悩んでいたところ, たまたま日本の本屋で見付けた本を買ってみた.

東大合格生のノートはどうして美しいのか

東大合格生のノートはどうして美しいのか

東大生数百人のノートを集めてみたところ, それらに共通する次の7つの法則が導き出せたとの事(ここにも載ってますね).
1. とにかく文頭はそろえる
2. 写す必要がなければコピー
3. 大胆に余白をとる
4. インデックスを活用
5. ノートは区切りが肝心
6. オリジナルのフォーマットを持つ
7. 当然丁寧に書いている
またこの本,生徒のノート以外に,教員から見た成績の良い生徒とそうでない生徒とのノートの取り方についてのコメントや, 著名研究者や文豪のノートの紹介もあり面白い. 幾つか印象深いものを列記:

  • 成績の良い子のノートは読み易い / ストーリーがある / 板書をとるのが速く, 口頭での解説を書き取る余裕もある (進学校/予備校教員)
  • 教科書の余白に書き込む (朝永振一郎, ノーベル賞受賞物理化学者, 著者注: 後から見返す資料はなるべく少ない方が良い, という意図か?)
  • "何かを '書く' ということは '頭に書き込む' ということ. それによって人は記憶する. だからノートをとる時には, 今自分が何を書いているのかと言うことを意識することが大事ですね" (江崎玲於奈, ノーベル賞受賞物理化学者)
  • 7つの法則フル活用 (夏目漱石)



感想. 上記の7法則,当たり前?とも思えるし,実際著者にもそういう指摘はいっぱいあったようですが,当たり前のことを当たり前のようにできる人が意外と少ないのがこの世の中だし,何よりも私にとってはなるほど! こうすれば見返す気が起きるかも!? と思えることばかり. 今まで(特に日本の大学時代まで)他人に比べて如何にノート取りや,知識の整理を怠ってきたかを思い知りました. それに授業や自習時の限られた時間内にささっと体系だったノートを作るのはやってみると難しい. とにかく成績を上げたい私はあれこれ思索せずに,このベストプラクティスに取り敢えず素直に乗っかってみる事にしまして,"N1: 所謂大学ノート的なノート" 以外は基本的に使わないことにしました.
7法則のうちレイアウトに関するのが 1, 3, 5, 6 でしょうか. そしてリンク(他の情報との接点)に関するのが 2, 4, 気の持ちようについてが 7. レイアウトが大事と言うことは, いかに見返し易くするかを言っていると思う. 本書中では多くの学生さん達の多様なレイアウトが紹介されてたけど, どのノートにも一貫しているのは, ストーリーの流れをリアルに思い出せるような見栄えだということ. 自分のこれまでのノートが果たしてそうなっているか?ぜんっぜんなっていない. 点しか思い出せない,線にならない. そういうノートしか書けてないと言うことは, それを書いている時も頭の中に流れは作れて無いのかも知れない, 話に集中してないのかも知れない. そう, ノートをきちんと作るのは, 授業の最終成果としてノートを作成するわけでは勿論なく, 話に集中するため, モチベーションを上げるためです.
というわけで上記のようなことを実現しにくいため, パソコンでノートを取るのは止めてみます. 紙のノートでうまくできるようになれば, パソコン上で実現する方策を考えても良いかも知れないけど, タブレット含め今のコンピュータの入力機器では限界があり過ぎると思う.
働いている時に上司によく "思考する時は図を描くと良い" と言われていたのも, この件に繋がる話ですね...私は常にパソコンでメモをとり,パソコンに思考の過程を記録していましたが,発想力により働きかけてくるのは残念ながら画面上の文字列ではなく紙の上に踊っているスクリプト達だった気がする.
メモとノートは違う. 他者への伝達・自分の記憶が目的となることが多い仕事上の記録はメモと呼び, 自分の理解が目的となる学業上の記録はノートと, ここでは呼ぶ. メモはパソコンや携帯端末で十分用をなす. ノートは, 紙.
あと日本の学生時代にアカペライベントでよく一緒になっていた東大の飛騨君がインタヴューに載っていたが, アカペラノートを取っていた, かどうかは書かれていませんでした.