30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに California 州から遠隔勤務.

私的 IELTS 受験記

まだ大学院受験は続いています. 地元ダラスの南メソジスト大学 (SMU) に9月から進学することは決めましたが, 高い学費等幾つか要検討事項があるため, SMU に進学すると並行して来春開始のプログラムを何校か受け, 結果次第ではそちらに転校することも考えています.
そのうちのある学校が, 留学生必須の英語試験として IELTS (Academic) のみを指定しているので今更ながら語学試験を受験しました. 学術機関向けの語学試験としては TOEFL が一般的で, TOEFL も IELTS も両方認めるという学校もあれば TOEFL だけというところもあるものの, IELTS だけというのは珍しい.
IELTS の概要や包括的な対策は公式サイトや問題集, それに他の日本人のブログにお任せします(TOEFLか?IELTSか?, 第14話 IELTS点数戦略 [留学準備(IELTS)]). ただやはり日本語の記事は TOEFL, TOEIC, GRE に比べ極めて少ないので, 私も感じたこと, 他の受験者さんに参考になるかも知れない事を, 敢えてがんばって書いてみました.
TOEFL iBT と IELTS どちらが高得点を得やすい?
二ヶ月間で三度受験し, また色々ある条件を総合した私なりの感想は, IELTS の方が簡単でした. 次の理由が思い付きます*1:

  • 4 つのセクションどれも 1 時間以内で終わる (1つのセクションで疲れ過ぎない)
  • 長文問題はほとんどの場合が科学/工学のトピック (私は工学系志望なこともあり親しみ易い)
  • コンピュータではなく紙である (書込みが可能)
  • スピーキングは相手が人. しかも閉めきった部屋で行うので周りに他の受験者が居ない (試験官が, 雰囲気なども含めて, 能力の絶対値を判定しようとしてくれているように思う. また, TOEFL iBT では私は周りの受験者がヒジョーに気になってしまいうまく喋れなかった)

TOEFL PBT, iBT との関連
点数の変換は公式にはおそらく存在せず, ネットで色々変換表が出ておりますがサイトによって値が異なります. したがってどれも参考程度にすべきかと. ただ下に示すとおり難関に分類される大学院は大概 7.0 (9.0 点中) が求められるようです.
私の総合点は 一, 二回目が 7.0/9.0, 三回目が 7.5/9.0でした. 7.5 を求めているたった一校の受験校のために三度も受験する羽目になりましたが, 諦めずに繰り返し受験する気になった理由は, 一, 二回目ともに失敗セクションがあったおかげで総合点が 7.0 止まりで, 失敗さえしなければ 7.5 に届くだろうと考えたからで, 実際三度目には準備の勉強は前日にしかせず, 前夜にトラブルがあり睡眠四時間だったり, 当日朝会場内のいつも泊めてる駐車場が予告なしに閉鎖になっていて大慌てで遅刻しそうになったりしたにも関わらず目標クリアしました. ちなみにあくまで参考ですが私の TOEFL は PBT 614 (2007年), iBT 94 (2009年) です. これらと相対的に合わせて考えても IELTS は少なくとも TOEFL iBT や PBT よりも私にとっては点を取りやすかった (というか TOEFL は試験対策をほとんど行わずに受験しましたが, 例え対策したとしても, 長い時間休憩がなく精神的苦痛の大きい iBT は特に何度受験してもあまり点数が変わらない気もします).
■ 参考まで, 幾つかの大学/大学院の IELTS 最低要求点
校名をクリックすると IELTS 公式サイト上の各校のページへ飛びます. ただここに示してある学校でも, 更に大学院プログラム毎に個別に最低要求点を設定している場合があるので, 受験を検討される場合はそれらをご確認下さい.
6 Texas A&M U., College Station (大学院) (著者注: 工学では難関校ですが, なぜかこんなに低い)
6.5 テキサス大Austin校, MIT (一部大学院), テキサス大ダラス校(大学院), テキサス大アーリントン校(大学院), IIT (インド工科大学), 東工大, ICU/国際基督教大 (学部)
7 Harvard (Ph.D/MBA), Princeton (Graduate), Stanford (MBA), Caltech, MIT (殆どの工学系大学院), Columbia (殆どの大学院), UC Berkeley (学部・大学院)
7.5 Columbia (一部大学院), MIT (Engineering Systems Division/PhD/Science Writing)
8.5 Columbia (ジャーナリズムの大学院)
ちなみに私の秋からの進学先 SMU はなぜか学部が 6.5 で大学院が 6 と,学部のほうが高い.色んな角度から考えてみたがどこかで誰かが手抜きして誤情報を掲載してしまったという原因以外思いつかない. しかし Oxford も同じく学部の方が高い(学部 7, 大学院 6.5). うーむ.
■ 私的, 各セクション攻略法
ここに記すのは他の人が書いてない (と思われる) 私が試して上手く機能したと考える方法です. あくまで公式サイトや, 他サイトで網羅的に書かれている基本情報を把握した上で参考になさって下さい. なお事前準備として, 公式問題集 (リーディングとライティング試験四回分が掲載) を二回くらい解き, リーディングとライティングの出題方式に慣れました.
Sec-1. リスニング (40分) 自己最高点 7.5/9.0

  • 特に無し (他のサイトを参考にして下さい)

Sec-2. リーディング(1h) 自己最高点 8.0/9.0

  • 上述のとおり, 理工系トピックが多いため, 非理工系の方はとくに事前の慣れが不可欠かと.
  • 開始 1 分程度で, 出題される三つの長文の解く順番を決める. 要は "当てずっぽう" で回答欄を埋められる問題数が多い問題を最後にする. この順番を誤ると終了間際に時間が無くなった時に記述式の設問が残ったら埋められず, 点数が大きく左右しかねない (読む/問題を解く速度が速く, 余り時間が作れるくらいの人ならこのステップは不要だが, 多くの日本人はそうではないでしょう). 下記のアルゴリズムによりシステムマティックに決定できます:

      R-1. 各長文ごとに, 3〜5 択の選択設問, いわゆる "当て推量" が可能な設問, の数を数え, その数が一番多い長文を最後に解くことにする. 選択肢が十くらいある設問もごく普通にあるが, そのような設問はここではカウントしない (当て推量が無効なため).
      R-2. 前ステップで順番を決定できない場合 (実際決まらないことが多い), 記述 (選択ではなく語や句を記入する) 問題の数を長文ごとに数え, 一番多いものを最初に解く
Sec-3. ライティング(1h) 自己最高点 7.0/9.0

  • 出題二問のうち二問目の長い方は, 文章を書き出す前に全体の構成を考える. その際, 核になる意見を (フローチャートなど) 図に表わしておくと, 書いている途中で混乱した時に立ち返り易く重宝するし, コピー&ペーストが不可という紙と鉛筆のデメリット克服にも貢献する. 私はこの作業に MAX 15 分費やして良いことにしていました.
  • 出題一問目は決まりきった段落構成があるので, 問題集等を参考にその構成を習得する. 慣れてしまえばすらすら構成通りに書けるので, 15 分未満しか要らない.
  • 浮いた時間を二問目に使った方が (他のサイトを読む限り) 得点は高い

Sec-4. スピーキング 自己最高点 7.5/9.0
(私の場合アメリカの大学に二年通い, 英語を喋ること (含む・込み入った事柄を説明すること) は苦に感じないという前提)

  • 失敗がない科目でした (上述のように, 試験官が"人"なのが大きいかと)
  • 私が三回とも受験したダラスの SMU 会場では, 12時頃までに Sec-3 迄が終わり, 12時以降に会場を移して Sec-4 を行う. その際に発生する待ち時間で他の受験者と会話すべし. 内容は何でも良く, 試験どうだった? くらいの軽い出だしで一気に会話が始まり, 緊張がほぐれます. 相手もみな留学生だし, 試験で緊張してるのも一緒. シンパシーは人をポジティブにさせると思います.
  • 試験だと考えず, 試験官を友人だくらいに捉えて, 自分の体験を伝え, あわよくばウケも取る, くらいの方が良い気がします.
  • とはいえ, 私見ですが, 口語的過ぎたり公にはあまり良くないとされている表現 (例. like 〜 の連発)は避けるべきでは. IELTS Academic 試験はあくまで "Academic" なので, 口語としては多少堅く感じられる表現でも良いから, より的確・簡潔な表現や語を選ぶべき (公式問題集のサンプルの採点基準にも示唆されています)
  • 試験官の反応に一喜一憂しないこと. 試験官によっては, 直前の回答にはまったくリアクションをせず, とっとと次の, 直前の質問・回答とは関係の無い質問に移ってしまう,言ってみれば愛想のない人も居るが,だからといって低い点数を付けられるとは限らない (私の場合,反応が極めて薄い試験官でも 7.5 をもらえた)



なお, 受験申込時にスコアを送付する学校を一校だけ指定できるのだが, 受験後に所定の方法で複数校に送付できる. これが (TOEFL, GRE と違い) 無料なのは有り難いのですが, "所定の方法" が人によっては(私のような, Web Mail しか使っておらず, 手元のコンピュータのメーラーソフト使ってない人)エッライめんどいことになる. Web 上のフォームがすっかり広まってる今のご時世では, この仕様はメーラーソフトを使ってようが無かろうがどっちにしても面食らう. これは本当にヒドいです.... 自分が受験したテストセンターの担当者とのやり取りのみで手続きは済むようです.
久々にアブサン(右下)をダラスのレストランで. 食後酒としてメニューにありましたが, 南仏人な義兄の教えよろしく, 無理矢理食前に注文しました. 写真では透き通ってますがすぐ水を注いできっちり白濁.

*1:ここに挙げたうち 3, 4 点目は, ソフトウェア産業出身者なのに, コンピュータベースの試験を否定するような意見になってしまった. でもここまでの経験だけから個人的意見を結論付けるならば, コンピュータベースの試験は被験者の創造性を抑制している気がしてならないと言うしかありません.