30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに Georgia 州から遠隔勤務.

二度目の学部終了, やっとこさ大学院へ.

UT-Arlington の工学部での夏学期末試験と研究室のデモとを先週終えました. 卒業まではまだ単位が足りませんが, 退学して同じダラス地区の Southern Methodist University(南メソジスト大学, 略称 SMU)の Systems Engineering 大学院に進学し, 既に授業も始まりましました. 休暇っぽい休暇がまったく無いままこの半年続いてますが, 生活を整えるまでもうちょっと頑張ります. それにやっと, やっと, 本来学びたかった事に直接触れられる. 準備期間として二年間は, この齢にしては長過ぎた感もありますが, おかげで米国に慣れることもできた. 溜まったエネルギー, 想いを力に変え, エンジン全開できるよう頑張ります. そして GF も医学部が始まり, こちらは早速猛勉強や人体解剖が始まっていて, 未だ忙しくない私は彼女を傍から見てるとこっちもぼーっとしてては悪いような気にさせられます ;) .
ある意味敵地での出張修行のようなものだったこの二年間を終え, やっと本来の居場所に近付いて来たので, 改めてブログの扱いをはっきりさせてみます. これまでは多くの日本人も通った米国大学の工学部だったので大して珍しい話は書けませんでしたがが, 今後は未だ日本でそんなに認知されていないシステムズエンジニアリング大学院しかも米国で. 私ならではの内容を伝えられれば良いのですが. 今後主に書くであろうトピックは七つです.
1. (新) SMU を例にとったシステムズエンジニアリング(SE)大学院の状況
2. (新) ロボット工学, 特に SE のロボット工学への適用可能性
3. (新) 一般的な SMU 紹介 (日本語記事が殆ど見当たらない)
4. (新) 日本人の米国でのフルタイム就職の試み
5. (新) テキサス特にダラスの生活 (知られてないかも知れないけれども産業的に国内有数の大都市です)
6. (これまで通り) 著者近況
7. (これまで通り) ぬこ近況
やはり 1 を中心にしていきたい. そもそも約三年前に渡米を決意する一つのきっかけになったのは MIT の SE プログラム(SDM)に在籍中だった日本人の方のブログでした. 既にシステムズエンジニアとして働いておられる方の世界最高峰の場所での経験の記述に比べたら, ソフトウェアエンジニアな私の決してトップエンジニアリング校では無い地方都市の学校での経験はちっぽけに映ることもありましょう. しかし, 米国式 SE の概念が未だ日本に普及しているとは言えない現在*1, SE に関する日本語の記事をネット上に増やすこと自体無意味では無いと考えています. それにもっと大きな理由は, そもそも問題を解決する/顧客の満足を実現するために行うエンジニアリングのプロセスとはとてもエキサイティングで, プログラミング等実装活動とは違った興奮があるものです. おそらく MBA を取る方々も, モノを造るという手段こそ採らないながら, 業務で似た興奮を経験し, 更なる高みを求めるからこそ勉強したくなるのではないでしょうか. エンジニアリングの MBA と形容されることもある SE ですが, SMU の SE プログラムがそういう気持ちをより強く思い出せるようなプログラムであって欲しいし, 在学中に得るそういう想いを今後このブログに書いていきたい. そして万が一私のブログを読んで SE 留学を決意した, という方が現れてくれば大きな喜びです.
2 に関しては書ける内容が出てくるかどうか実は怪しいです. 充分ではないもののリサーチをしてみた結果, (航空機/製造業/物流/情報システム等, 現在までの SE の主な応用範囲である産業に比べ)産業的に未成熟な消費者向けロボット分野はいまだに実装技術に議論の主軸がある, 言い換えれば SE の大目的である "利用者が欲しい物を作る" レベルにたどり着いてなく, 未だ "技術者が作りたいものを作る" 段階なような気がしています. レベルが高い低いではなく時期が来ていないのではないかと. 今後果たして本当に SE の活用分野がないのかも探れるだけ探って行き, ダメそうなら考え直します.
3 については需要が無さそうな匂いがぷんぷんしていますが, 今後ナニがどうなるか分かりませんから折を見て書いてみます. よく分かっていないながら SMU を一言で紹介すると "保守的気風が強いテキサスにおいて, 富裕層の強力な支持で成り立っている大学" と言えるかと. この学校に通うこと自体何らかのイデオロギーと無縁では居られない気がしてますが.
4 は実はすぐ始動します. 言葉の難しさは依然まったく拭えませんが, 米国でプロのエンジニアとして働く為の最低言語能力は満たしつつあると思っています. また, (米国, というかテキサスしか知らないので)テキサスの生活のしやすさはこれまでも触れてきたとおりで, 蒸し暑さのないここの気候は自分に本当に合っていると感じます. 気候だけで就職する場所を決めるほどの能力的余裕はありませんが, 少なくとも最初に就職活動を再開するのはこの地で.
ブログタイトルである宇宙については, 宇宙開発に携わるという意思に変わりはないものの未だその具体的道筋ははっきりさせられず, 既に米国内での就職を第一希望にするという高いハードルがあることもあって強く主張するのが難しいため, 近々タイトルも変えるかも知れません. またブログデザインも少しだけ変えてみたけれど, 蜘蛛の意味が無さすぎるしカラフル過ぎるのでこれも変えるかもです.

久々時間ができたので, ずっとやってみたかったトマトソース自作に挑戦. 自分で作ることの良さは薄味にできること. かっこつけて言うと, 素材自体を味わうことができる (しかし今回は薄味過ぎ, 素材ダイレクトでしたが). ちなみによく食べるトマトソースってもっと赤黒いけど, どうやったらあんななるんでしょうね, 別に赤黒くしたいわけじゃないけど.

*1:SE が広く認知されている, とはアメリカでも言えないと思いますが.