30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに Georgia 州から遠隔勤務.

交渉ほぼ成功, 卒業延期は保留(まだ延期はあり得るが)

数日前の日記に,"夏学期の履修授業次第では学部の卒業が1年延びるかも..." と書いた件, 学科の副チェアマンに話させて頂いたところ, もし今学期の成績が良ければ本来同時履修できないクラスの履修を認めよう,と言って頂きました. てことで教員の方々との交渉は一旦中断し, 期末の宿題と試験を精一杯頑張ります.
さて, 私は交渉事はもって上手な方ではないし, 同年代の仕事人と比べて経験が多い方とも思いません. 営業職や接客業の方々なんかは毎日が顧客や組織内での交渉の連続でしょうし, エンジニアも上級になればなるほど交渉事は増える. 私はそのいづれにも該当してませんが, それでも私はシステム開発プロジェクトを経験し苦しんできた中で, 随分ましになりました*1.
大学ではよく学生が "事務がダメダメなので, たらい回しにされた" と言っているのを耳にします. こういう話は大概が "私には一切落ち度が無かった" という前提を話し手も聞き手も暗に持っているように思います. しかし, 本当に何も悪く無かったのか?棘が立たないように突っ込んで問うてみると, それじゃあ事務の人が誤解しても仕方ないよ, という依頼の仕方を学生がしていたことが判明する事がよくあります.
人にものをお願いする時は, 話の展開の仕方ひとつで, 通る話も通らなくなるし, スムーズに進むはずの話も進まなくなる. 例えば前段落の大学の事務でいうと, 事務員は事務の道のプロであって, 学生が持ち込んでくる大概のケースの対処法は知ってるはず. それなのにうまくいかない場合というのは, 大概プロではない側 = 学生側にも少なくとも何らかの問題があるはず. したがってそういう時は友人に愚痴ってストレス発散する一方で, 自分の話の展開が相手の立場から見て理解し易かったかどうか思いめぐらせるべし. 私自身はしょっちゅう反省しています.
"コミュニケーション" と簡単に言いますが, これは極めて高等技術だと思います. 世の中の諸問題の多くはコミュニケーションミスだと思います. だからこそ(いきなり卑近な例にぶっ飛んですみませんが)宇宙飛行士にとって最も重要な素養を質問された現役宇宙飛行士の 10人中 10人が "円滑なコミュニケーションを行う能力" とまっ先に答える, という状況も起こる. その例に限らず, 一人前の仕事人達がなお研鑽を重ね続けて身に付けるものなのだと思います.
今回の私の交渉は, 引き出せる中で最高の譲歩を引き出せたので及び腰, 間違えた, 及第点. 副チェア Dr. Weems の気の良さ(陽気さ?)に助けて頂いたかも知れないけど.

*1:あと頻度は本業の比では無いけれど, コーラスの御仕事で得てきたものも大きいと思う.