30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに Georgia 州から遠隔勤務.

UZR 15 は6試合で1失点を防いでいる計算

news.yahoo.co.jp

"一人で何点防いだ" という UZR の触れ込みが体感できないでいたので計算してみました.今季西武:自責 389,投回数 1273 1/3,防率 2.75

外崎選手が防いだとされる15.4点を取敢えず自責に足すと404.4点,チーム防率2.858と,0.1悪化.また,外崎+源田で29.8,チーム防率は2.960と,0.21点悪化.

どういうことか.3連戦で毎試合3点失ったとするとチーム防御率は3.00.3試合のうち1試合だけ3点失ったとすると3.33つまり0.33上昇する.2人の守備で防率0.2下げるということは,3連戦で1点近くを防ぐことに近くなる.1点勝負がとても多いチームにとって,"3試合のうち1試合を勝てる確率"が上昇してると言えるのでは?

これ程守備力のある選手はそうそう育たないだろうし,守備のスランプは攻撃に比べ少なそうと思うと,契約に反映するのは妥当な戦略に思えます.

 

 

米国の産業用自動化・ロボット業界で日本出身であることのデ/メリット

留学中の日本人の方に Linkedin で声をかけて頂き,今後米国内の産業用自動化/ロボット業界で就職を検討中で,弊社や米国の業界について聞きたいと言うのでお話させて頂きました.私は ROS1 界隈で名前が沢山出てるのもあって技術者で声を掛けて来る方はかなりいますが,意外に日本人から話聞きたいといった御連絡頂いたのは,今の仕事始めてからは初めてかも知れません.

色々お話しましたが,日本人としてディス/アドバンテージは感じるか,という点.これも意外に聞かれたことがなかったです.私はフルタイム勤務者が100人に届きそうなくらいには育った割に日本人が私しか居ない米スタートアップ企業に勤務して5年なので (かつ従業員1号 *1 ),この文脈においてまだまだ経験浅いですし,就職時にも在職中にも日本出身という点を一切アピールとして使っておらず,違ってることがかも知れませんが,個人的に次のように感じてるのでここでも書いておきます.

  • 業界無関係に,米国で働く日本人として:米国の企業で働く人の多くが,安心,信頼できる.やらかしが少ない,といったよく言われるような先入観を日本人に対して持っている,ような気がします.まあ,対象範囲が広すぎて断定的なことは何も言えないですが..
  • 産業用自動化/ロボット業界での日本人として:大いにアドバンテージあると思います.ロボットアームの Fanuc安川電機はじめ,世界/米国で流通する/幅効かせる産業用機器類のメーカが日本にとても多く,それらの業界にいたことがあればそれだけで,商習慣に一定以上精通し,関連業者等のネットワークもあるでしょうから,強力なバックグラウンドになるんじゃないかと思います.関連業界にいたことがなくとも,(求められる技能にもよるけど) そもそも言葉と一般的な文化・習慣を知ってるというだけでも強みだろうと思います.

逆にディスアドバンテージがあるかというと,

  • まず出自による差別は法律に反することもあり企業がとても気を遣っているところのため,表立ってはあり得ないでしょう.実際裏でどうかというのも,感じたことは無いですし私の範囲では聞いたこともないですかね.人による,でしょうか.
  • と言っておきつつ,いわゆる日本企業的な仕事の進め方に成功体験を感じており,米国でもそういったやり方を持ち込もうとするならば,それは苦労するかもな,という気はしました.以下私の経験の範疇でしかないですが共有すると,現職に就いたばかりの時はプロトタイプ,つまり机上のコンセプトが実地で成立するかの検証を,物流業界の超大手のお客さんが,試験環境でなく本番環境でやらせてくれてました.お客さんの興味はとにかく,提供するサービスが使えるかどうか,だったのだろうと思います.一方私がお仕事でお手伝いした日系メーカさんでよく話題になったのは,オープンソース技術で製品作るのは問題ないのか,問題起きた時に誰が技術サポートしてくれるのか,といったことで,プロトタイプ作る以前にいろいろと調べておられるようでした.先述の米国の超大手は,それらの技術的な細々したこと (と括って良いのかどうかは分かりませんが) は,検証が終わり,使えるねと判断頂いてから初めて,事細かに聞かれたのだと思います.
    どっちが優劣という話ではなく,どれだけリスクを取れるかどうか,ということと思いますが.超大手でも質を取るために取るべきリスクは大きくても取り,失敗すればとっとと次へ移る,というのは驚いた,という話ですが.このへんの心の持ちよう,石橋叩いて渡る的な進め方や,スーパー丁寧に進めることとか,"日本人的な仕事の進め方"良いことだけど有難く思われないかも?と思いました.まあ,事業が成功するにつれ本当に進む速度が速くなってきて,他の成功してるスタートアップもやはり成長しており,生き馬の目をウンタラ,という感じに業界自体がなってるから余計に感じるのかもしれませんが.

 

*1:非・管理部門という注釈はつきますが.

知識層のヘイトスピーカーはたちが悪い

米国では中間選挙が3ヶ月後に迫ってるのもあるのかきな臭いニュースが増えてきています.銃撃,暴動予告・未遂,と文字通りキナ臭い.ところで quora.com というサイトの日本語版で米国についてこきおろしてる人達がいるということで覗いてみて驚きました.根拠ない論理というか論理とすら言えない語り部で怒りをぶちまけてる人達がいるのかと想像してたら,そうではなく,在住・就労経験もあり,割とそれなりに色々知ってそうな人達が,問題点を整理した文章で綴っている.ただ,体裁はある程度整ってるものの,中身を読むとやはりというか,問題を誇張し,極端に聞こえる論を展開していて,ある意味読み手を不当に引きつける投稿になってて,それに対しそれなりに賛同の印が付いてしまってる.事実が織り交ざってるので,米国のことを何も知らない読者からしたら,書かれてることすべてが事実なんだと錯覚しても,仕方ないのかも知れません.私も知らない国や地域についてこの手のやり方で書かれた文を読んだらある程度信じてしまうかもです.

 

投稿者達はどうも米国が心底嫌いらしい/或いは心底批判したいらしい,と読めました.こういった "それなりに知ってて,経験もある" 風情の人が極端な意見,社会に対するヘイトとも取れることを吹聴するのは,個人的にはなんか新しいなあと思ってしまいましたが,そうでもないのかな.ネガティヴで声が大きく,フォロワの多い人というのは多かれ少なかれそういう言い方になっているか.あと "ある関係者" の取材内容という,人によっては無条件に信じてしまう"根拠"を元にあること無いこと書くゴシップ記事の構図ともあまり変わらないのかなと.

 

ちなみに私の米国社会に対する意見は複雑です.住んでる人ほぼみんなそうだと思います.世界でも酷すぎる所と,世界最高レベルと思える所が両方ある.すくなくとも,人権に関する様々な議論で世界をリードする人達がいて,その最先端を社会として受容する柔軟さの高さがあるのはスゲーと思います.

新学期,教育の目標

公立校の新学年が今週から始まり,今年度は2年生になる長男に加え,4才が Pre-K (年中さん?) という学校準備クラスみたいな,同じ小学校内に開設されてるプログラムに通い出しました.2人とも同じバスで早朝に出かけていきます.

バスのお見送りの後,たまに立ち話をする近所のお母さん,いつも悩みを隠さず話してくれて,有難いと同時に,そんなに話して大丈夫なのか?と思ったりしますが,今日は教育について,公立校にお子さんを送って感じる不平等さとか,彼女のお子さん達のために今のままで良いのかとか.曰く能力が図抜けて良かったり,逆に追いついて無かったりするお子さんには,相応の別のクラスが公立校の範疇内でも設けられていて,より個人の進みに合わせた適切な機会が与えられるようになってるのに,自分のお子さんは良くも悪くも放っておかれてると感じる,とのこと.そういう別クラスをあてがうかどうか判定するにあたり試験があるようなのですが,既に試験の存在を知っている親御さんの中には,事前対策して臨んでる方もいるらしく,それは確かに不公平感が出ても仕方ないのかなとは思いました.

また,他のお子さんを見てて不安になることがあるとのこと.いわゆる白人ご家庭ですが,外国からきているお子さん達を見ていると放課後に塾だなんだやってそうで,彼女は読み聞かせは沢山やってるものの塾とかそこまでじゃないし,そもそも課外活動のアイデアをどこから仕入れてくるのかと不思議そう.

私は私で,同世代の親御さんが日本でお子さんの幼/小/中受験に奔走してるのを見て,米南部でのんびり公立校に通わせてる親として刺激を受けます.
大事なのは,親として子らにどういうサポートをしてあげたいのか,その目的に現在やってることは合うのか,ということをよーく考えて結論だすことと思ってます.

私らはおそらく妻も同意見と思いますが,興味は強みをできるだけ伸ばすこと,あと社会生活で必要な能力を身につけること,この2点を助けてあげたいと思っています.大学に行く行かない,行きたいならどこに行きたい,等は本人の意志で決めて欲しい.住む場所や言語といった環境起因の制限や,日本文化を理解して欲しいといった親の望み/エゴもそこに加わりますが.
したがって親としての目標がかなり断定的でなく,具体的な目標をどうとでも設定できてしまう状態なので,具体的計画を立てるのも,それを評価するのも,やりにくくなってるのかなあとも思います.

私自身は米国の初・中頭教育は経験しておらず,親として間接的に経験し始めたばかり.米育ちの妻の経験や見聞きしたことも含め自分達なりの評価をしながら考えていくのでしょう.当面は (経済面でとても有難い) 公立校で良いと考え,公立校の評判を見て引越し先を決めました.しかし.他の親御さんの考えや行動を見ると特に揺らぎます.揺らぎますが,基本で考えてることが根本からぐらつくわけではないし,常に検討し続けるくらいなのかなあと.

なお蛇足ですが冒頭のご近所さん,人種的な差異に何かの要因を求めるのは特にご法度な国なので穏やかにですが,アジア人とか特に親御さん同士のネットワークとかで情報が流れてるのなら羨ましいわ的な感じでした.それに対し私は,白人の中には入っていけない線を感じることがしょっちゅうあると伝えたところ,白人は白人に対して優しくないこともあって,皆が仲良くしてるわけじゃないと.この方はどこ行ってもうまくやってそうに思ってたし,弁護士としてがんばっておられるのに,色々あるんですねと.

バス停へ向かう.カメラ通すと明るく見えるけどまだ薄暗い7時前

 

個人私用の主 Email アドレスの寿命.生涯アドレスという夢

主な個人 Email アドレスとして,私は20年以上同じアドレスを使ってきました.学部を卒業した慶應義塾の卒業生転送専用アドレスです *1ここ (jukuin.keio.ac.jp) で取得できたはずのアドレスで,"アカウント名@卒業年.jukuin.keio.ac.jp" というように,かなり長くなりますが,きちっとした構造好きの私としては悪くなかったです.
しかし,私事ながらサイバー絡みの攻撃の被害を被ってしまったことで,自分のサイバーセキュリティの知識を更新してる最中で (ソフトウェア/ロボティクス関連の技師として20年以上経ちますが,サイバーセキュリティは体系的に学んだことがなかった),家族全体への備えを同時に行いつつ有ります.その一環で個人 Email アドレスも見直しです.

そもそものきっかけはセキュリティ見直し段階より前でした.今回攻撃を受けてる際に,支援して頂く,頼みの綱である当局との Email のやり取りが悪者共に傍受されたらそれこそシャレにならない,と危機感を持ったのが初めでした.

その後少し学び (結果は hut_10sqft#679 で記録・公開中),Email でよく使われるセキュリティ機能 (TLS, S/MIME) があるのが分かりましたが,前述の慶応の卒業生アドレス運営部門に聞いた所それらは対応していなさそうです.また,将来使えるようにする予定も無さそうな雰囲気に思いました.慶應自前のサービスなら外に払うライセンスみたいな費用はないでしょうが,利用者数が多くないんだろうと想像すると,機能追加などの継続運用業務のモチベーションは無いんだろうなー,と.

ネットワークの専門でないですが,誤解恐れず言うと,TLS (通信経路暗号化の機能の1つ) が無いと,自分の Email 送信元サーバと相手のサーバの間の通信が傍受されたら,Email の中身読まれるかも,S/MIME (メッセージそのものの暗号化機能の1つ) がないとサーバ/コンピュータ上に保管された Email データにアクセスさえできれば中身を読まれるかも,という状態かと思います.公のネットワーク上での通信傍受がハッカー *2 にとってどれだけ簡単に行えるのかは分かりませんが.

同じ住所に生涯住み続ける,ということは実際かなり難しそうと思ってます.40歳後半の今でも,数多くの場所にとは言わないまでも,まだ幾つかの地を経験しても悪くないかなと思うし,何より家族の意向/事情があったら考慮せざるを得ない.
一方,Email が今後ずっと続いていくのかは分かりませんが,アプリケーション固有のフォーマットを持たない汎用的な仕様を各サービス事業者が運用している,インターネット上で稀有な部類のメッセージング機能と言って良い気がしており *3,ネット上の個人 ID としての暗黙的な役割も含め,永く続くのでは,と素人目ながら思っています.

同じ Email アドレスを生涯使えればなあ,というのは,ちっぽけな自分の浪漫として持ってました.160年以上続いている慶應義塾なら私が死ぬまでも安泰でしょうから,GoogleFacebook が今後何年続くのかを懸念する心配もなく,生涯 Email アドレスという期待をかけたいと思っていましたが.が,今回わかった慶応のサービスのセキュリティの不足は,ちょっと目を瞑れないレベルです.こうして公開記事にすることで,もし詳しい方から入れ知恵頂き,jukuin アドレスでも大丈夫,考え直すというのをひそかに期待もしてますが,そんなことが起こらなければ,残念ですが,他に乗り換えます.

*1:なお慶應義塾は,別枠で卒業生も使える GMail ベースの keio.jp というサービスを運営しているようで,そちらならセキュリティ機能は常に更新されてそうですが,どうも最近の卒業生じゃないと使えないらしい?

*2:日本の技師達は,悪意を持たないサイバー空間での深堀を行う人をハッカーと呼び,悪意を持ってそれらを行う人をクラッカーと呼んで分けたりすることがありますが,英語だと後者は遥かに一般的な文脈で使われ,しかもたぶん放禁レベルです.英語ではハッカーと呼んじゃってます.でも hack/ハックは日本と同じ意味で使う.ややこしいです.

*3:数多存在するメッセージング・サービスの多くはアプリケーション固有のフォーマットになっている,従って事業者のサービス終了時に過去のメッセージもすべて消失,という仮定

アトランタで岩手県出身の野球選手を想う

世界級の野球選手が県内から少なくとも10年間で3人出た岩手凄い,という話になってますが (MVP 大谷翔平,2試合続けて完全試合/未遂の佐々木朗希,MLB オールスターの菊池雄星),個人的に惹かれるのは,このお三方の際立った謙虚ぶり.20台ソコソコでスポーツで異能を発揮するには,多少の奢りにも似た自尊心的なものがあるのも必然也,と思ってましたが,この3人のメディア通しての発言にはそういうったのはミジンコ程も感じられない (強いて言えば雄星は NPB 最初に数年はスケベ心が発言にも出ることはあった気はする).ネットで個人が発信する時代なので慣れてるのかもというのを抜いても,優等生的な謙虚さとプレーの破壊力のギャップが染みます.

米国で子育てしてると,自己主張の訓練やっぱ凄いなーと感じてますが,しかし日本人だから謙虚・米国人だからガンガン自己主張,という短絡的構図は必ずしも無くて,米国だろうがどこだろうが,家庭ごとに軸となる価値観により子の性格も違うのだろうと思っています.ショーヘイ・オオタニを性格含めすべてを礼賛するわけではないです (いや勿論我が子が大谷選手のように仕事人として誰もが認める異能を放ったらそれはそれで一つの喜びでしょうが).米国しかも排他性が強く残るとされる南部で,日本人の子なんだよと子らを育ててる身としては,子らが大人になった時に米国人としても日本人としても,どちら側に立っても自らの文化的背景と,両国圏で身につけた経験を誇りを持てるようになって欲しい.軸とする価値観をどう据えるかについて親として日々そう悶々してる中で,冒頭の3選手のような存在と振舞いは,興味深いです.取り敢えずわんこそば沢山食べさせてみるか,とか.

Ranger kid+dad in play

子供野球の試合中,長男とパパ (コーチなのでユニフォーム来てる)

ともあれ,直近の願望としては,贔屓の西武ライオンズが佐々木投手をコテンパンに打ち崩すのが見たいですね.

 

展示会で同僚とキャッチアップ

地元アトランタの展示会に弊社出展したので,行ってきました.滅多に同僚含め業界人に会わない遠隔勤務100%,業界動向を見たいのも勿論だけど同僚に会う方が主 *1.その日は夕方展示終了後は,ホテルのバー弊社貸切で交流会.人に会えないのを不憫に思ってくれてるらしい妻はこういう機会は子らは見るからとにかく行って来い!と背中押してくれるのに甘えて夜まで.窓から目の前に CNN の建物が見えるがこれが本社なのか?と聞かれるものの,引越してきて以降小さい子らとパンデミックと,あと家からアトランタは微妙に遠いのとであまり散策できてないのもあり知らないとしか答えようがなく,パーティの地元住民枠は埋められず.何にせよ社員1号で入社してから4年半,そんなイベント開くくらい大きくなってきました.業務的にも他部署との関わりが限られるし,オフィスにも年1くらいでしか行けてないし,おそらく最も知られてない社員なのは間違いないかと.

日系企業勤務が長く日本にもよく行っていた社長と会場へ向けて歩き,講演と一日中接客とでお疲れなのに,いやーバーのつまみじゃなくてラーメンとビールが欲しいな!と気を遣った発言をしてもらってしまったのに対し,いやラーメンはいきなりじゃなくて〆っすよ!,と鬼ボケた返答をしてしまい,数日経った今でも恥じてます.

*1:なので仕事扱いではなくしました.上長には,気にするな仕事だ,と言ってもらえるのは分かってましたが.なお休暇日数は厳密に数えないところがこの勤務先の素晴らしい点の1つ.