期末試験期間に入りました. ここに来て一気に提出物が山盛りで息も絶え絶え. ペーパーテストよりもレポート形式が多く, 特に私はレポートをさらさら〜っと素早く書くのが日本に居る時から苦手. 学校でも仕事でも, 調べ物などで一定の時間量を要するはずの作業において(何故か)ミョーに早く, しかもそれなり或いは完璧にまとまってるように見える内容を出す人って居ますよね. とにかく作業量が多い米国の大学/大学院では重宝するスキルだし, いわんや仕事をや. できれば私だってそうなりたいものですが中々うまくいかない.
英語で "bullshitting" と呼ばれるのが, どうやら上に書いた行為を指すと考えて良さそうで, 私なりに定義すると "聞き手/受け手を納得されられる発言/文章を短時間で(必要な調査を必ずしも行わずに)まとめられる" となります. アルクの英和辞典での定義 においては "でたらめ" 等悪いオンリーの意味のようで*1, 確かに大人同士の会話ではあまり使うべきでない言葉ではあるようですが(語源は bull の shit ですから汚いし), 上述の私なり定義に書いた考え方自体は, 実際は有用な場面があるのは学生/仕事人であれば経験がある人も多いでしょう. 学生の間ではどちらかというと肯定的な意味で使うようで, 例えば "マイケルは bullshitting が上手いから, おかげで成績良いし就職もすんなりいった" 等, 場合によっては褒め言葉にすらなるようです. bull の shit が上手いと成績良くなるだなんて日本人としては不思議.
プリンストン大学の心理学の研究者が書いた bullshitting についての本があるようです.
"On Bullshit" by Harry G. Frankfurt
著者の論点の一つとしては, 嘘つきが嘘を付くためには真実を認識してないといけないが, bullshitter は真実に関係なく(それこそ)でっち上げる, したがって bullshitter の方が嘘つきとの比較においては良くない, ということのようです. まあ, なんにせよそれだけ世の中には bullshit は(良い悪いは別にして)蔓延しているということですね.
と, 同じ本をアノ山形さんが日本語訳しているのを発見.
- 作者: ハリー・G・フランクファート,山形浩生
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/01/11
- メディア: 単行本
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元々は GF から, j130s はもうちょっと bullshitting できるようになった方が良い, と言われてから知った言葉ですが, 今回こういう話をしていたら関連するスラングを新たに二つ教えてくれたので紹介して, 勉強に戻ります. 事実/真実を突きつつも, ほどほどに bullshit できるようにはなりたいものです.
- gunner (スラング辞書 "Urban dictionary" による定義アリ): 授業中をはじめ, 人前で自分がどれだけ勉強していて内容も理解していることを見せつけることによって目立つことを目的としている人. 授業で一番前に座って質問を多くする, 敢えて求められてない難しい解法を用い, そのことを教員にアピールする等の特徴がある.
- sniper: (辞書でみつからず) 人前では, 難解そうな問題を楽そうに解いて見せるなど, クールに振舞っているが, クールぶる為に人前を離れると焦って猛勉強している人
ついに見つけた, 西部劇でよく見るような, バーの扉. こういう扉があるバーを "saloon" というようです. もっともそれは昔の話のようで, 今は saloon という名であってもこの手の扉が無いバーは一杯ありますが. Dallas の Chesterfield's Food & Spirits で. |