30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに Georgia 州から遠隔勤務.

新年米就活進捗

今年もよろしくお願いいたします.
休暇は少しの旅行の他はダラスでゆっくり, 増えた体重減らしやら職探しやらをしています.
コネが大事な米国就活, SMU の就活支援サイトにも "Holiday 中に会う人にもアピールし, 機会を拡げよ" と助言がありました. まあ, 米国に限らず実際はその通りなんですけども, それを明文化しちゃうのはさすがアメリカなのかなと.
皮肉っておきながらも, 私も実際パーティでお会いした人に得難い助言頂いたり, 知合いを紹介して頂けたりという機会があり, なんだかんだでちゃっかり実践しています. 特に, "米企業は12月締め1月が年度始めだから, ポスト募集が増えるのも予算が決まる1月だよ" と伺い, そういう話は聞いたことがなかったので, 実際どうなのか分かりませんが今月には期待しています.
外国人でしかもこの就職難の時勢, 就職できる確率が高そうな必ずしも本望でないポストを受けるという手もありますが, 折角の就活の機会, 少なくとも最初は理想のポストを探すことにしたので, 航空宇宙分野あるいはロボット分野での Systems Engineer 職を狙います. 特に航空宇宙は米国市民権が無いと就けないものがインターンシップですら多いのですが, 中には外国人 OK なものもあります ("市民権必要" と先方が記載し忘れたわけじゃない限り...).
今回はこれまでに何度か書いてきたとおりインターンシップでの短期の就職を狙っているのですが, 大学院生向けのインターンシップってあまり公募が無いのか, これまで見つけたものは殆が学部生向けの, あまりスキルを要求しない内容. "経験者 + 大学院生" での実のあるインターンシップをするためにはどうしたらいいか, SMU の工学系就職アドバイザのジャネットに相談したところ, まずはインターン枠に応募し, 採用されたら個別に相談をしてみろとのこと. 大きな会社なら特に, 募集に出たポスト以外にも社内には実は人手が必要なポストは無いことはなく, 特に一度採用過程を通ってるという "コネ" が付いた状態の人ならば融通を利かせてくれるのが米国なので, 採用前だと聞いてくれなかった要望が採用後だとかなり柔軟に受け入れられるよ, というのがその理由(私の曲解も含む). いかにも米国らしくて納得しました. あともう一つは, 大学院プログラムの教員達のほとんどは学外でも仕事を持ってるので, 彼女ら彼らの職場でのポストに関して相談してみろと. これは誰に相談しても言われることですが, やはりそうですね. これまでもちょくちょく書いてきましたが, ダラス地区は企業が多く経済的には米国内有数の規模の都市で, また航空宇宙分野においてもアメリカン航空の本社をはじめ, ロッキードマーティン, Ratheon, L-3, ベルヘリコプター等大企業のブランチが多数存在し, 当然 SMU の Systems Engineering (SE) プログラムの先生方もそれら企業との関係が強い. 活用しない手はありません. また, 上述のとおり航空宇宙分野に進むかロボット分野に進むかで悩んだりもしてますが, ジャネットにも言われましたが贅沢いうのは採用されてからにせい, ということで, いやまったくそのとおりですね, と. ちなみにジャネットは日本生まれで六歳まで居たそうですが, それにしちゃ少し喋ってくれた日本語が英語訛りだったのは興味深い.
また, 先日書いたとおり履修する授業も就活のアピールとして大事で, ある内容に特化してウリとなる分野を作るべきか, それとも広く浅く SE に関連する内容を修めるべきか迷っていて, 自分としては武器を作って即使える状態にすべき, と考えていたのですが, SE プログラムのアドバイザ(Raytheon 社出身)いわくその逆で, 浅くても良いから幅広く知見を付けた学生の方を採用したいと彼なら考えるそうです. 採る側からすれば今そこにある仕事を少しでも速く確実にこなせる人が欲しいわけで, PhD は別だが修士ならある特定の内容しかできないとなると使いにくくなるから, もし既に SE 分野での自分の注力箇所がはっきりしてるので無い限り, 選択肢を広く保つに努めた方が良いのでは, と. また, 修士論文は必須でなく, 書くかどうかを選択できるのですが, 修論は武器にはならない可能性がけっこう高いので勧めないそうです. 理由は上記と同じ"幅が狭まる"というものの他に, その分野で必要な知識体系を把握している教員が教える授業をしっかり理解する方が, (彼が採用側なら欲しいと思う)汎用性*1幅広い分野の知識を身に付けるという観点からすると効率が良い, という二つの理由だそう. そもそも私が武器となる分野を作るべきと考えたのには, 医療政策系で米国で修士を取った友人からの助言が影響していますが, まるで思惑と逆のことをアドバイザに勧められるというのは, ひょっとしたら学問分野ごとの違いなのかも知れないし, 或いは私はこの分野ではまだ素人に近く, 特化していく方向性が未だ見えてないからかも知れません. いづせにせよ聞いておいて良かった助言でしたし, 他の SE の先輩にも話を伺ってみたいところです.
あと, 就活とは直接関係ないですが, SMU の工学大学院には少ない単位で二個目の修士号を取る制度があり, SE プログラムの選択科目として既に履修しているソフトウェア関連の授業も二個目の修士の修了単位として活用できるということもあって, 二個目の修士取得も検討します. タイトルは計算機科学かセキュリティ工学かソフトウェア工学かで, どれにするかはよく考えて決めますが, いづせにせよソフトウェア関連にします. 卒業の遅れは免れませんが, 一学期収まるよう履修を工夫します.



新年に日本ほど儀式的なものがない米国, 元旦である1月1日もふつうにレストランが開いていて, 私も今年初の食事はオムレツでした.

*1:1/13/2011 汎用性, という語は曖昧で, ある分野に特化するにしても, 幅広い分野を学ぶにしても, 条件次第でどちらも "汎用的" に成り得るため削除.