30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに Georgia 州から遠隔勤務.

或る家庭の家事事情と父の気付き

子供は本当にほんとうにかわいい.そんな子供一人を満足に育てるのも亦,簡単ではなさ過ぎる.
子を無事に育て上げることそのものが人生の夢・目的,そういう人が社会の大半を占めたような時代があったというのも,子を授かった今ならなるほどなあと頷けます.

一方で親の夢=子供,でない場合,何らかの取捨選択が必要になる.

うちは妻の仕事を最優先した形です.というかスケジュール等の融通効かない仕事なので優先する以外の選択肢が無かった.何しろ出勤は朝6時前,休日は10日に1度くらい,週に2回は帰宅が翌日午後 (よく車運転して帰ってこれたね,といつも思う)*1.病欠等するには代役をあてがわないといけないし職歴にも響くらしいので,39℃あっても解熱剤飲みながら夜勤している (ウーム...).

だもんで子供など家に有事があれば私が対応するし,私はそれができるような仕事に就く.家事は基本"オレ"の仕事.男子厨房に仁王立つべし.妻が仕事を得たからいまの街に引越してきて,とても良い街なものの,唯一の不満は私の分野の仕事があまり無さそうなこと (なので遠隔勤務も必然.これがまた普通じゃないわけですがそれについてはまた今度),とか.

少なくとも私の視点から見れば,私は結構多くを諦めています.もともと仕事にすべての時間を捧げても惜しくない質なので (そうでもなきゃそれこそこのブログで以前まで書いてきたような,30歳過ぎで仕事とか全部やめて前例ない感じの工学留学とか,しないでしょう),つらいです.

しかし,家庭を持つ前の自分の考え方の方が,むしろ普通ではなかったんですね.信仰の話はここには多く書きませんけども,自分は "生かされている" と真面目に思うようになって以降,それまで持ってきた多くの考えは,産まれて以降のちっぽけな経験の中で獲得した自分一人のエゴに過ぎないのでは,と思うようになった.たぶん実際は,自分はもっと大きな社会・繋がりの中の一員で,役割は既に用意されていて,いま家庭を持ったことや,家庭内での自分の役割も,そうやって決まってるんだろうと.そう気付くと気が楽になって,今に至ります.

40代は仕事にも脂が乗り切る時と巷では言うので,むしろ少なくとも労働時間数では後退してるのは焦りますけど,経験は時間の長さじゃなくて深さだよと.

*1:ちなみに彼女の名誉のために…子の食事は95%彼女が作ってるし,仕事してない時間のほぼすべてを子供に割いてくれている.