30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに Georgia 州から遠隔勤務.

青木昌彦 スタンフォードと京都の間で

人生色々ありますから, モチベーションが小さなふれ幅で上り下がりすることはよくありますが, ジブン, 大人になりましたと感じるのは, 下がったのを上に向ける方法を幾つか持っていて, 落ちてもそのままにせずすぐ上げる努力に移れる時です. 今日は幾つかいつもの方法をやってみても上がりませんでしたが, 以下の高名な方の本を読んだら"ガチ"上がりました.

スタンフォードと京都のあいだで

スタンフォードと京都のあいだで

著者は割と最近日経新聞私の履歴書で連載されてたのでお名前は存じてましたが, この本はスタンフォード大学ってどんなところか少しでも知れれば良いと思いそれだけのために買いました.
しかし結果的には少しだけ触れておられた御専門の比較体制論の話に, スタンフォードについてよりも興味を持ちました. 日米の組織構造を情報共有と人事管理という 2軸に配置すると,
米国: 人事 = ヨコ, 情報共有 = タテ
日本: 人事 = タテ, 情報共有 = ヨコ
と読む事が出来るとの事*1. そしてそれぞれのメリットは米国式は巨大システム開発と流動的人員配置に, 日本式は社会状況や顧客要望に応じて多様な商品ラインアップを素早く築くことに向いているんだとのこと.
1991年発刊の本であり上記のアイディア自体が今新しいのかどうかはさておき, 日米エンジニアリング組織比較が興味の一つである私には今なお解り易かったです. そして自動車や半導体に有効だった日本式は, 顧客からの要件が素早く変わりまくるという点で現代の WEB システムにも有効なはず. その割にはソフトウェア界においてもこの手の抽象化された方法論は日本ではなくアメリカ等非日本の人から出てくるという印象がありますが, 著者によると全体的傾向としては経済学界でもそうらしい. ソフトウェア工学についてはまだまだ勉強不足だし機を改めます.
取り敢えずモチベーションギンギン上げに成功.

*1:勿論一概にすべてをこのマトリックスに当てはめられるわけではなく実情は複雑であるとの注釈付き