30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに Georgia 州から遠隔勤務.

六月大更新

五月にはこのブログを更新再開すると言っておきながら六月も後半になってしまいました.良いことも良くないことも起こりました.近況報告として,特に良くなくない事 (≒ 悪くない事) を,簡潔に書いてみます.
五月上旬に無事終わった春学期は,初めて全授業 (三つ) とも Systems Engineering (SE) のみにしたせいもあってか,SE 漬けな学期でした.成績もまあ及第.四クラスで学期を開始したものの,一つあまりに時間の無駄である授業をドロップした為,三クラスのみの履修でしたが,就活や既述である震災チャリティ活動もあったため,丁度良い負荷でした.各授業の振り返りは,どんなに遅くなってでも書きたいと思います*1が,やはりというか,授業では軍事産業の技術が常に話題の中心だったため,今まで自分が関わってきたシステム開発とは規模が違い過ぎ,授業自体の理解に苦しんだというよりは,習ってることが今後使えそうだ感を得るために必死だったという気がします.しかしながら,授業の一つである信頼性工学の入門では,今後の Systems Engineer としてのキャリア設計に関係させられそうな刺激を沢山もらいました.
昨年十二月から,今夏の米国内でのインターンシップ就労を目指して就活をして来ましたが,春学期終了時点で内定どころか面接にも一社にも呼ばれていなかったため,途方に暮れました.日本ではうまくいった就職/転職活動でしたが,米国では全然結果が出ない.仕方なくというか,時間ができたことを良い方に捉え,上述した春学期の刺激を更に自分の興味あるロボット分野に展開し,信頼性工学の観点で論文レヴューをして学会に投稿することを思い付きました.以前助言を乞うた際に修士論文に否定的だった学術アドバイザ兼プログラムディレクターが信頼性工学の専門なので,おそるおそる "もしも万が一共著に興味がおありでしたらどうかなーなんて思いまして..." 的な弱腰で伺ってみたところ,意外にも喜んで引き受けて下さり*2,更に若手の信頼性工学エンジニアを紹介して下さり,今は夏の締切にサーベイ論文での投稿を目指して活動しています.
と,夏の方向性が授業一個 + サーベイ論文で決まってきたと思っていたら,ひょんなところから幸いにもインターンのオファーを,それも最終的に三週間の間に三個も頂き,結局サンフランシスコの企業のロボット関連のオファーをお受けすることにしました.どのオファもクラスメイト/古くからの知合い/教員伝手と,コネクション経由でした.エンジニアの米国就活についてはまだまだネット上の日本語情報が足りないでしょうから,後でしっかり書きますが,もし米国就活 (私はインターン就活しかまだ経験してないですが) で現在苦労している方が居たら,次の事を検討してみてはいかがでしょう.(i) 就活アドバイザに頻繁に相談する (可能なら.大学生なら学校にそういう役職の人が居るはず) こと.ベストプラクティスは馬鹿にならないし,自分で気付かない点があるかも知れない (私は毎回のようにありました).(ii) あらゆるコネクションに接触を試みること.私の場合は四十社ほどオンラインで履歴書を送ってもてんで反応が無く,そんな折にあるきっかけで連絡した思いがけない伝手から一気に拡がりました.私自身 Facebook や Linkedin 等でウソ臭い履歴書を沢山見てきてウンザリしていたので,この米国のコネ重視 (勿論実力は伴わねばならない) 路線には一理あると思っています.最後に,(iii) 諦めず情報収集し,自分の進路の戦術を練り続けること.オファーを下さる可能性がある方といつ会うかわかりません.咄嗟にそういう方とお会いした時にいかに自分の能力,熱意を具体性を以てアピールできるか.私の場合手前味噌ですがこれが上手く運んでくれたのかな,と勝手に考えています.
というわけでここ一ヶ月の間に,どん底から一気に坂を登りはじめました.渡米後四年目に入り,大学/大学院に対して求めて続けて,でも中々得られなかった,専門家達とのプロフェッショナルなやり取りが,遅れ馳せながら急激に始まり,そして来週からは仕事が始まる.というわけで,今週 California に引越します.書いて共有したい事は色々ありますが,取り敢えず最後に支えてくれた人々にはお礼を申し上げたいし,とりわけこの二年弱のある意味停滞した期間ずっと励ましてくれたガールフレンドにはありがとうを言っても言い尽くせない.来年一月に Dallas にもどるまで遠距離になるけれど,最善を尽くします.



もう一つ,自分のことではないですが,嬉しかったので,プロバスケットボール Dallas Mavericks の優勝.試合の日は毎晩バーに行って応援しました (スタジアムの入場料は高ぇんだよ...).写真はダラス市が行ったパレード (後) の模様.平日午前,30℃ 以上だったのに,二十万人以上の人手だったそうな (殆どは学生 or メキシコ人家族に見えた).
ダラス市警の馬運搬車.マーヴェリクス優勝翌日から,みょーにジョギングコースに馬糞があるな,と思っていたら,パレードに馬を動員すべく,その予行をやっていたらしい.警察が馬を持ってるあたりさすがテキサス.

*1:元々この blog の一つの目的に,日本語でまだまだ情報量が少ない米国式 SE について記録を残したいというのがありますので.

*2:あまり大声で言うべきではない,単なる邪推ですが,プログラムディレクターが修論を薦めなかったのは,学術的/産業的理由の他に,修論をやると履修授業が減るので,学生からの授業料収入も減るからではないか?と疑ったりしてます.まあ私は履修したくて仕方ない授業が多いので,修論を単位にしないことに問題はないわけですが.