30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに Georgia 州から遠隔勤務.

あるべき男像と日本人が海外に発信すべき事につき私見

KO大学のコーラス時代の友人 Yぽん が, mixi 日記で彼独自のオバマ支持理由を書いていて, その話の流れで "あるべき男像" に当てはまることを要請されることへの悩みを綴っていた. その mixi のスレは政治論中心にアツい議論が展開されてて, ユルい私の投稿は気後れしたものの, オトコ像については渡米後考えることも度々なのでこの場で少し意見を, てなもんだこりゃ!
あるべき男 ≒ かっこいい男, だと思うんだけど, その像は万国であんまり変わんなくて, "仕事ができる" 人がそれにあたる気がしてます. 万国を知らんけども. 仕事ができることは, あるべき男像に合致するための必要条件だと思う.
で, 各国/文化圏でマイナーな違いがあって, 日本の男像はアメリカや私の義理兄の国フランスに比べ "多様" と言えると思う. アメリカにしろフランスにしろ, かっこいい男の像は割と画一的な気がする. アメリカの男像ってのには, Yぽんがスレの元々の記事に書いてる歴代大統領なんかも当てはまるんでしょう(ただ, 人がひとたび政治家になると, 抱える仕事の困難さゆえに, その人の本来のかっこよさってのが摩滅しちゃって, 特にメディア経由だと尚更伝わりにくいんだろうと思う. 政治的に支持する/しないはさておき, ブ■シュ氏をもっと以前に間近で見ていたらきっと一人間としての格好良さに息を呑む気がする, 可能性は無いとは言えない). 画一的だからアメリカでは同じような服しか売ってないし, 多様である必要が無い, 無かった*1. でも日本ではきっと高度成長期には像が比較的画一化されてたものの最近曖昧になってきてると思う. いつからなんだろう. バブルの頃?よくわからないけれども. そしてこの人は何系, とくくることができ, そういう"系"は幾つもある. あと, ちょっと極端な例だけど, ヲタッキー発の文化の, 普通の人というか非ヲタッキーな人への浸透度が, 日本より高い国があるのでしょうか.
しかしながらそのような日本の多様性は, 日本の現在をある程度肯定する目的には使えますが, 海外に訴えて行く必要や需要があるかどうかは分かりません. むしろ海外にまず一個人が発信できるのは "謙虚さ" だと思っています. 私は例の, 郷に入ってはヒロミゴー, の格言通りに, 渡米後確実に西欧風の, レディファースト, 自己主張はっきり, 身体を鍛える 等に影響を受けつつあります. この国固有の社会性を身につける上で欠かせないと思うし, それになんというか, ガリ勉しに来たつもりではあれどやはり未婚男子なので, 異性を意識はしますから. ははは. しかし一方で, 謙虚さ, 控え目さは機会を見つつ保っていくつもり. 控え目である事が道徳と成り得る日本の文化は, 先人達が築き上げて来た大事な遺産だと思うし, 今後世界の勢力図が変わり日本は"二流国"と呼ばれるようになると不安視されたりもする中で, 日本の advantage として外国に伝えていくべき美徳であると思ってます. この地で働く日本の方と喋ると気が落ち着くことがあるのは, 日本語だからという以上に, お互いの謙虚さがしっくり来るからだと思う.
私個人の話としても, 今後進学する大学院で修めるシステム工学という学問はアメリカが TOP ですが , 世界に名だたるエンジニアリング企業を幾つも築いた日本の出身として, 知識や経験それに自分の身体に染み付いてる感覚等を, 単なるお国自慢にならないよう訴えて行きたい. 必ずしもトヨタで働いた経験が無くとも, 身体にまとっているお国柄ってやつを言語化してやれれば役に立つかも知れない. とまあそんな具体性の無い画餅を言ったところで具体的方法論も実際にうまくいった体験談が未だこれといって無いのが弱いところだけれど, いつの日かアメリカ人が "いやいやいや何をおっしゃる" とか, オッサソ臭い合いの手をするようになる日も(ある意味)待ち遠しいし, 野茂英雄さんの様な寡黙で慎ましい印象のある日本人で世界で活躍しているのをもっと見たい(多分いっぱいいらっしゃるんだろうけど).
あるべき男像の話から日本人としての海外へのアピールの話に変わってしまったかに見えますが, 要は日本の多様性は否定するべきでないと言いたい. ただ残念ながら, 多様性の維持は必ずしもモテには繋がらない, モテたければやはり従来の画一路線に乗っかる方が手っ取り早いと, 周りを観察してて思いますけどね!

写真: ある日の Arlington の夜明け

*1:実際アメリカはとても広いので地域によって色々異なるんでしょうが, 話を単純にするために一括りでアメリカと言っています.