30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに Georgia 州から遠隔勤務.

CA から GA へ

6年住んだカリフォルニア州北部から,東海岸方面のジョージア州アトランタ近郊に引越しました.Facebook でお告知らせはしていたつもりだったもののあまりにも知られてなかった風があるので,改めまして "アトランタ?なんで?" というあたりの捕捉をしました.

そもそも6年前に北カリフォルニアに引っ越したのは妻の仕事での移動でした.この度,5年間の外科研修 (所謂 resident) が **やっと** 終わり,研修の合間に取った1年間の研究期間を含め6年の契約というか期間が終了しました *1.彼女は専門性をより深めるため1年間の追加研修をすることにし,応募して採用となった Atlanta の病院で仕事を始めています.

追加研修の応募先を探すにあたり2人で沢山話合いました.私個人で言うとカリフォルニアはとにかく気候が合っていること (北部は実は暑くなるものの湿気ゼロ (体感) なのでとても過ごしやすい)*2,米国内としては比較的日本に近いので行き来しやすいこと (子らを祖母父達に合わせるために必要),所謂シリコンバレーにも近く私自身は情報産業の仕事も探し易いこと,リベラルな気風等,カリフォルニアというか西海岸はとても気に入っており,かの地を離れる想像はそもそもあまりつきませんでした.しかしより現実的な?妻としては,高額な所得税は懸念としてあり (州によって税法が異なり,California は高税率),またより多くの友人達に近い地域に行きたいという希望もあったようで,意見がまとまり切りませんでした.そのような中で,行きたい追加研修プログラムを提供する病院が西海岸に決して多くなさそうなことが判明し,採用になれば米国内どこでも行く,という心積もりはした方が良さそうというのが判ってきました.そこで,追加研修は1年か2年間と決まっているので,むしろこの短い期間を遣って,自らは絶対に選ばないような地域を経験してみるのは良さそう,と前向きに捉えました *3.私は日本育ちなので無論のこと,米国育ちな妻としても,この国をより理解したいという希望はあり,この機会を利用して短期間なかなか知る機会が無さそうな地域に住んでみるというのは理に適ってそう,と意見が合いました.唯一私からのお願いとしては日本との直行便のある都市に絞ってもらいました.

結果,こうして東,というか米国では南部とのみ呼ぶっぽい,に来ました.一般的な?印象で言うと南部は保守的で,米国で言う"保守"は極端にいうと2020年現在の大統領の支持層なので,政治どころか人間の根源的な部分の考え方について相当に相容れなそうですが,米国内の常として都市圏は進歩的な考えの方も多いと聞きます.いづれにせよ目を見開いて過ごせるだけ過ごしてみます.南部に住むというのは,たった数年前の自分達の未来予想図にも一切入ってませんでしたが,妻の職場となった Emory University は,彼女が高校生の時に学部に応募してたようで,また10年前に私が大学院受験している時にも薦めてくれたりして (私が受験してた工学系が無い,ということは知らなかった様子w),今回まさかこうなるとはと縁を感じずに居られません.

未知のアメリカ南部をなんとか楽めるように整えていければ良いと思います.最短だと Georgia に住むのは今から1年間ですが.この先,より長く定住する地を決めるのはこれまた諸事情により,まああと4年後とかになるのではという気がしていて,あと1,2回は引越すことは覚悟しています.そういうわけで私は西海岸推しですが,どうなるか.南部を気に入って (或いは南部が私達を気に入ってくれて) 定住したくなる可能性もあります.

Plotted on Google Maps the direct line from northern California to Atlanta, GA

今回の引越しの直線的移動を地図に載せました.姉が探してくれたのによると直線距離 3,356km とのこと.稚内から福岡が 1,631km だそうなので日本だとほぼ北端から本土南端を往復ということになる,そうです.なお地図上の左下にある California 州が面積だけで既に日本より広いそう.

*1:研修が終わった,とさらっと述べるにとどめていますが,研修医の苛酷さは家族としても書けることは山ほどあり,むしろあり過ぎて萎えて書かない,という状態なのが正直なところです.が,絶対に忘れたくない経験で,子らにも伝えたく,記憶が遠のかないうちに回顧したいと思います

*2:日本に三十数年住んだ後に米国 (最初は Teaxs 州) に来て異なる気候に長期間身を置いてみて初めて,自分にとって気候はとても大事ということに気付きました.和辻哲郎の "風土" を引用しようとしましたが,そんな知恵はないことにも,気付きました.

*3:"自らは選ばない"というのは,家族や友人仕事のネットワークがあったり,仕事・生活上の大きな利点があるのが判ってたりする地域以外に住むことには理由が必要という意味です.