30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに Georgia 州から遠隔勤務.

カリフォルニア内の大学院見学, 宇宙会合

13日から16日までの4日間, LAX空港で降り, 受験する大学院を2校(カリフォルニア工科大・通称 Caltech, 南カリフォルニア大学・通称 USC)見学しました. また, 以前の知合いを辿ってカリフォルニアで宇宙開発の仕事をしている方を紹介頂き, その方のアレンジで11名の宇宙関連者の呑み会に参加, 更にその伝手で2008年の宇宙飛行士採用に募集した方4名とお会いすることもできました. 楽しい話の一方, シャトルバス内の置き忘れた物を引き取りに行くために半日費やして疲労困憊しましたが, 15日締切の大学院応募にはぎりぎり間に合いました.
Jan13昼: NASAJPL の一般向けツアーに参加(ツアーのサイト). 太陽系探査の概要を説明する短編映画の他, 火星探査機(MSL)の作業室, 衛星運用司令室の2箇所を案内頂きました. 2箇所だけなのだが Q&A が多く, 皆さんよく質問するし回答もよく答えるので 2.5時間もかかった. おそらくフロリダのケネディやヒューストンのジョンソン各宇宙センターに比べ見せられる物が少ないのでその分トークが多いのだろう. 私は時差ボケで眠過ぎ, 楽しめずに終了. ちなみにツアーは月水しか行われていない模様で, 要予約. 各回は定員満杯になることがあるようなので, 早目に上記サイトの電話番号にかけて予約しましょう.

無菌室で MSL の周りで作業する皆さん
現在飛行中の探査機との交信可能時間帯を表示する画面
所内にいた野生の鹿.
Jan13夜: NASAJPL に勤める日本人の方に事前に面会を希望申し上げていたところ, 日本に帰国する別な方の送別会を兼ねて総勢11名の宇宙関連者の宴会になりました. JPL に勤める/訪問研究員の方, CaltechUCLA の大学院生のすべてが航空宇宙関連者で, 航空宇宙の工学的面では新参者の私は, 皆さんのご専門内容を伺っても理解が大変でしたし, いわゆるエリートの皆さんの知的興味を惹く話が中々うまくできず苦労も感じました. しかし宇宙開発を有人で行う支持派vs無人派の議論や, JPL と言えども機械系/ハードウェア系エンジニアとソフトウェアエンジニアの間の溝(不理解)は存在する(日本の JAXA に関してはよく伺っていた話ですが)こと等, 理解可能かつためになる話も多く, また現場のエンジニアがシステムズエンジニアリング手法には限界があることを感じながら仕事していること, カリフォルニアの大学はカルテックでなくとも JPL から研究者が来ていたり共同研究している等を知ることができ, 楽しく過ごしました; また, 2008年の宇宙飛行士採用応募者が今回参加者のうち私を除いて3名もいらっしゃったことが判りました. 実は今までこのブログに書いて来ませんでしたが私も応募者の一人です, 勿論落選しましたが. 試験後これまでに応募者の方とお会いしたことがなく, 経験談で盛り上がりました.
会合はパサデナ市内の "Matsuri(祭)" で. 味を愉しむ余裕が無かったのも事実だが, あの価格であれば北ダラスの "Sushi Robata" なら相当日本国内に近い品質のものが食べられたはず...カリフォルニア = 日本食が旨い, と盲目的に信じる必要は無さそうです.
11名の方々(写真提供: Hori-san)
4日間パサデナ市に宿泊しました. サンフランシスコも行ってみたかったが, 15日締切の大学院応募書類に2日間は専念せざるを得ず, 今回はモーテルに篭りました. パサデナは噂通り綺麗で気候の良いいい所. 北ダラスの富裕層が住む閑静な住宅街とも似ているが, 建物が白や赤レンガが多く, 気候を更に穏やかにしたような感じな違いがあると感じました. しかし1時間歩いてタクシーを1台も見かけなかったのはどういうことだろうか...
パサデナ市庁舎の塔を遠目に見つつ著者近影
Travelodge の浴室内. タオルやティッシュを貝のように織るのは初めて見ました. たったこれだけで, "清掃が行き届いてそう" な気がついしてしまう. Serviceability の精神を見たり.
Jan16: 博士課程の大学院生に Caltech を案内頂く. 土曜日ということもあり, 受験した department の先生を訪問しようにも誰も来ていない為断念. キャンパス訪問は, 先日の宇宙会の皆さん(米国大学院で博士号取得済み)もこぞって "受験するプログラムの研究者を訪問すべき" と助言頂き, 当然私もそうしたかったが, 上記事情により今回は不可能でした. しかし私の場合, 訪れた学校とそうでない所とでは受験に際してモチベーションがかなり違うので, お会いできなくても良いのです(かなり前向き思考).
キャンパス近くの吉野家で. 味は殆ど日本のそれと変わらないと感じましたが, ボリューム感が足らず, 結果やや物足りないと感じた.
キャンパス内の図書館で少年ジャンプを発見! さすが世界のトップともなると, 図書館に漫画を置く余裕すらあるんですね.
航空学の建物入口. 重厚な入り口の中は, 最近モダンに作り替えられていました(写真無し)
不肖ワタクシ. 受験した department の入居するビルの前で. 同行下さった院生は学科が違うため, 彼の権限では入館できませんでした.
同じ日に散歩に行った USC キャンパス内の, 工学部の碑の前で.
Jan16午後: 宇宙飛行士応募者のお二人とパサデナの別な和食屋(Kansai)でランチ. お一人は三回連続で受験なさったとのことで, ただでさえ時間と労力を取る宇宙飛行士採用過程でしたから, そのモチベーションには敬意を払わずに居られません. しかし, 一回ごとにご自分の足りない部分を埋める努力をなさったのか?と私が伺ったのに対しては "否" との笑いながらのお返事. 曰く "仲間が増えるのが楽しくて受けたようなところがある" とのこと. 目からウロコ. リラックスして楽しまんとするその姿勢は, 例え宇宙飛行士になれなくとも人生をエンジョイなさっているに違いないですね.