30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに Georgia 州から遠隔勤務.

名の読み・アルファベットを公/法的に管理する仕組みは日本に無い?

# 名の読みは戸籍上管理されていない?

子らのためのある事で戸籍謄本が必要になり日本から送ってもらいました.コロナ禍で日本の郵政から米国への発送にも制限があり EMS 発送が不可だったとのこと,また米国側の USPS も少なくとも2020年11月の大統領選挙の前後の財政難が聞こえており,郵送は暫くかかるかなと覚悟していたら,3週間もかからずに届きました.USPS の政治利用など腹立たしいニュースはさておき,少しでも早く届けてくれる現場の皆さんには頭が下がります.

戸籍謄本を眺めてて恥ずかしながら初めて気付いたのは,名前の読み仮名がふられていない.調べたらそのとおりのようで,名の読みを法制化するのは検討中らしい (mainichi.jp) ですね.興味深い実体験も見つけました (hatena.ne.jp) .うちの長男は特に読みが独特なのでどう申請したっけ?と思ったら未管理かよ!となりました.出生届の写しをみたらふりがなは振ってありましたが,その情報は管理されてないということになるのだろうか?不思議.

# アルファベット/ローマ字読みも戸籍に管理がない?

関連して気になるのはアルファベット/ローマ字表記.戸籍にはやはり表記はありません *1.これは,読みすら管理されてないんだからまあ"当然"と理解できる*2.思いつく日本の法的文書でアルファベット/ローマ字表記が記載されてるのはパスポートですが,この申請時のローマ字は一体どうやって正当性を評価されてるんだろう???本人の申告の 日本語読み + ローマ字を事務側が何らかの方法で,うんこれは妥当!と判断してるのか.だとしたら読みもローマ字もどちらも法的に管理されてないということで正しければ,現場の判断で,妥当そうじゃね?となれば嘘でも受理されるのか??

# 米国で自らつけたニックネームと功罪

アルファベット/ローマ字表記については自分にも実際に興味があります.

米国に来て以降,ローマ字読みの名を非日本人が読む際,およそ私が理解できない読み方になってしまい,自分が呼ばれてることに気付かず苦労し (日本人で同じ思いされてる方は多いでしょう),喫緊の解決法として非日本人に馴染みある名前を付けました.渡米後13年経った今,仕事でもプライベートでもその名で通っていますが,言わばあだ名に過ぎず,落着いて考えるとちょっと問題だなと感じ始めました.

  • まず親が付けてくれた名前ではないというのはずっと気になっています.
  • あと,仕事で法的な名は仕事中遣ってる名前と全然違うということを伝えると驚かれたことが何度かあります.米国 (というかインターネット上のエンジニアのコミュニティで) では,"あだ名 + 旧性" で十数年通しており,その後婿入りしたので法的な姓も変わりましたが,仕事でもコミュニティでも "あだ名 + 旧性" を変わらず用いています.法的な名前が姓・名どちらも違うのを知って驚きを見せた人達が,どういう理由でそうだったのかは知りません.繊細な点だったので私も突っ込んで聞いてませんし,相手も危機的な意味で驚いたのでは無いと思うと理解してます (なお人事には周知済・問題ないよと了解入手済).が,特に米国だと不法入国は勿論,合法的に入国した人達をすら (2017-2021 の) 大統領が口撃する社会的背景もあり,外国人社員が法的なものと異なる名前を仕事で名乗っているということは,おや?と思われてもまあ仕方ない状況なのかな,と思います.私としても,正直同僚が困ってるわけじゃないので,解決が必要な問題というわけでは無い.

# ニックネームをやめ,本名に読みが近い名に変更する

米国での色々も判ってきたし,こういう背景でここらで仕事・生活上での名の読み,表記を元に戻すうまい方法は無いかなと思っていたところ,聖書のある登場人物の名が,私の本名を英語読みした時にほぼ同じに聞こえることを見つけました.聖書の人物の名を借りて命名するという行為が,常にその人物が持つ聖書的意味と関連付けるということになるのかどうかは,議論の余地がありそうですが,少なくとも,親が私に命名した時の意向には含まれてなかったと思います (それどころか仏寺のお坊さんに命名を依頼したとも聞いてます).しかし,実際には私は親が付けてくれたのではない名を米国で日常名乗ってるので,それと比べたら少なくとも音がほぼ実名と同じ名を名乗ることは,親の意向に近付くことになると思っています.また,名は親から頂くものという考えに依拠するとすれば意味は無いかも知れませんが,あくまで私的にはクリスチャンとなったので聖書中の名を頂けるのは嬉しい.

実現にあたり,日常使う名前だけ変えるのか,法的な名前も変えるのかは検討が更に居るかなと思います.

  • 日常名の変更ならば,最大の変更は勤務先のシステムに登録されている名前の変更,そして人々への周知です.これは勤務先や同僚に苦労がかかりますが,仕方ないでしょう.友人知人への周知も必要です.
  • 法的名称を変えると大掛かりです.ありとあらゆる行政・民間の法的登録を変更することになります.特に日米双方で行政に同じ表記を使うのが,後々の問題を防ぐために大事そうです.費用対効果が見合うのかどうかの判断が容易でない気がします.あとそもそも日本の行政が,おそらく管理してないとはいえ,一旦パスポートは現在の申告したスペリングで作ってるわけで,今後自己都合で別なスペリングを使いたいという申請を受け入れるのか不明.

名前を一つにできるのは,会話する相手によって,どっちの名前使うんだっけ,と考えずに済むのは楽そうだなあ,と思うけど.結局やらない気がするけど,案として置いておきます.

*1:"名 アルファベット" で検索に引っかかるのは,名姓でなく姓名という語順を公とするという決定 (kantei.go.jp)についてばかり

*2:米国生まれの子らに関しては,日本の行政に出生届を提出した際の捕捉資料で,米国発行の出生届原本か写しを提出してるので,アルファベットも管理しようと思えばできるはずだが,やってるかどうかは不明.