30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに Georgia 州から遠隔勤務.

JAXA宇宙飛行士 書類選抜合格者数発表

http://www.jaxa.jp/press/2008/07/20080722_select_j.html
応募総数963名から, 約24% にあたる 230名が1次選抜に進むとのこと. 過去の例では, 1次選抜では筆記試験の他に健康診断が行われるため, 施設の許容人数によって合格者は 200名程度に限られる, と何かで読んだ気がします(白崎さんの書籍だったかな?). ですから今回は若干多いということになりますね. 応募総数が過去最多数だった分合格者も増やしたのでしょうか.
どういう基準で選考が行われたのでしょう. 最低要求を満たしているかどうかは勿論チェックされたでしょう. これは 0 or 1 かはっきりさせ易いです. しかし応募書類には志望動機や目標とする宇宙飛行士像, 家族からのコメント等, 0 or 1 の判定がしにくいものも含まれていたようです. 今回これらも審査されたのでしょうか. 後述の通り海外からの応募者が比率を上げているところをみると, 英語力でふるいがかかった可能性はありますね.
JAXA 発表した合格者内訳をみると, 全体における割合が書類選考の時点でのよりも1次選抜の時点の方が 5%増えているのは次の 3種類です.

  • 年齢別での"30代"(68% -> 78%)
  • 地域別での"海外"(7% -> 16%)
  • 職業別での"その他"(26% -> 33%)

1番目は妥当だと思います. 脂の載り始めた所謂バリバリな方の割合が大きそうですし, 30歳未満の方の中には残念ながら最低要求(特に就業年数)を満たせなかった方が少なからずいらっしゃるんじゃないでしょうか. 2番目はやや意外ですが, 元々英語力はあるし, TOEFL等のスコアの写しの提出によって英語試験免除(正確には1次試験時に実施)なのは大きいでしょう. 3番目は, ここに含まれる方々の職業像が想像しきれていませんが, 私立の研究機関所属者は該当するでしょうから, これも今回の最低要求である "自然科学系" の "研究もしくは業務に従事" に該当する方の割合が多いと考えられます.
内訳について, JAXA は公開していないものの個人的に興味があるのは, 英語試験の受験日ごとの合格者割合です. 国内受験者は応募書類提出時期によって 6月と 7月の 2回に分けて試験が行われ, 6月受験者は全体の2割未満だった, つまり応募者の 8割強は6月になってから応募書類を提出した, と伺っています. 6月受験者は5月中に応募書類を提出した方々です. まるで根拠のない推測ですが, 早く提出した方々の方がモチベーションの高い方の割合が高くなったりしないのでしょうか. もっともこれを知って何になる?という感じですが...
1次試験は関東で開催ということで, 特に海外の方をはじめとして辞退者が出ることもあると聞いています. 何にせよ合格者の方は頑張って頂きたいです.