30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに Georgia 州から遠隔勤務.

MIT 見学

ボストン来訪の主目的である, マサチューセッツ工科大(以降 MIT と表記)見学をしました. 大学が行っているキャンパスツアー参加後, 博士課程在学中のお二方にそれぞれの学科の建物を案内して頂き, 晩飯を食べながら更に話を伺いました. お忙しいのに全部で 5時間ほどお付き合い頂き, 期待以上に私の進路に直接関係してくる情報をたくさん教えて頂く事ができ, 万が一合格しても行きたいとは思っていなかった MIT ですが, その考えを改める可能性が多いに高まりました.
お二人のうち一人は MIT の大学院プログラムの中では日本で特に有名なメディアラボの方, もうお一人は航空宇宙研究科の方で, 私が受験を検討しているシステムデザインマネジメント(以降 SDM)にも関わっている方. 伺った話のうち,特に私自身に関係が強い事を忘れない為に列記します:
MIT 関連

  • ソフトウェア主体で航空宇宙研究科に在籍する事は普通にあり得る
  • 日本人の MIT の大学院生の GRE verbal は 300〜450 程度でも合格する(その他が大事)
  • SDM 選任の教員はあまり居らず, 他の研究科と兼任が殆どである
  • SDM の日本人は毎学年1人程度. 学校側は学生の多様性を確保する傾向があるため日本人は受かり易い可能性あり(憶測のみ)
  • ボストンの冬は東京ほど寒いと感じない

宇宙関連

  • NASA のジェット推進研究所(JPL) は米国市民権を持たなくともグリーンカードで就職した人が居る(ただし当然ハイパーな実績が必要)

MIT は寒さを理由に, 万が一合格しても進学は考えていませんでしたが, そこまで恐れるほどでも無いようかなとお話から感じました. 気候で進学/就職先を選ぶなんて馬鹿げた話だと思われるかも知れませんが, 私は東京の気候が耐えられませんでした. 冬はちょっと暖房を切ると部屋の中でも底冷えし, 夏は日陰に立ってるだけで汗がだらだら流れるほど蒸し暑くしかもそんな中で満員電車に乗る. テキサスの気候はその点好きで, 想像するだけなもののカリフォルニアは更に良い. ボストンはそれら南or西アメリカほどではないものの, 東京より良いようです.
また専攻内容面でも, 専門がソフトウェアでも宇宙系に進めるということや, SDM と他プログラムを兼ねるような大学院プログラムの柔軟さがあるということを改めて確認しました.
上記 2点私にとって大きなプラスなので, 真剣に進学を検討することにします(繰り返しますが, 万が一受かればの話).



なお, お二方それぞれの専攻(メディアラボ, SDM or 航空宇宙)を既に上述しましたが, MIT に対する私の興味はまさにその 2点と言ってよく, 進学対象としてではなくミーハーな興味としてのメディアラボと, 進学対象としての SDM 或は宇宙機の R&D なので, 今日のお二方は完璧な組み合わせでした. 紹介してくれた企業派遣留学の某アラサー女子(笑)に感謝です.
また, キャンパス周辺をジョギングしている人がとても多い! そしてテキサスでは頻繁に見掛ける風船のようなシルエットの肥満体型の人が少ない.

最後に, Stanford の機械工学科の Dr. Kosuke Ishii が三月に急逝されていたことを知りました. 享年51歳. 慶應大学SDM でも教鞭を振るっておられ, 日本語で米国流システムズエンジニアリング学を語れる貴重な存在だったとのこと. 私はイシイ教授にお会いした事も授業を聞いたことも未だありませんが, 各界への損失の影響は大きいと察します. ご冥福をお祈りします(スタンフォード大発行のニュース記事).