30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに Georgia 州から遠隔勤務.

キャリア中間点を過ぎて仕事をスローダウンするか

6年くらい前までは自分は仕事に生きるタイプだと信じて疑ってませんでしたが,数年経った今や家庭第一にしつつ,それ以外の時間をフルに使って仕事をしたい,というかそうするしかないかな,と改まってきました.一般的には仕事が円熟するはずといっていい40代も半ばを過ぎましたが,私の場合40歳台が深まるにつれ家庭の負担は増える一方,とても仕事に集中できる状態とは言えず,現職では遂にあまり忙しくない仕事に配置換えとなりました.それでもまだ十分な成果を出せずにおり,今後さらに進んだスローダウンをすべきかどうか検討中です.

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今年40歳代の後半に突入しました.よく調べていませんが多くの組織が65歳で定年制を採っているとすると,フルタイムで雇ってもらえるのは残り20年を切った,と考えておくのが良いと思っています (実際65歳を越えてもフルタイムで働いておられる方は,自営業,名誉職等多くおられますが).一回り離れている妻がが引退する頃まで元気でいたく *1,そのためには働き続けることが効果的かなと思っています.


25歳の時に就職して以降20年間キャリアの面で色々ありました.日本企業に始まり,私立大学の研究所,一念発起で渡米し工学修士取得,ロボット/自動化業界へ転向,米でフルタイム・それも業界の綺羅星的な企業で取る寸前で日本へ帰国 *2,東京で非営利企業を起業,退職し米国スタートアップに参加.4年経ち今に至る過程でも,初めの3年はリーダー職,大事にしてもらった気がしますが,最後の一年で中間管理職の下に入った後に一転,リーダー職を自ら降り,その後さらに望まない部署への配置転換.今に至ります.


世間では40代は仕事人として最も脂が乗る,などとも言われます.一方で"もう若くない"という言葉が自分に例外でないのはひしひしと感じ,残り時間が減ってきているという思いはあり,できれば集中して成果をあげていきたいところ.しかしながら,自分の状況は40歳以降3人の子を授かったり,妻の仕事を支える必要もあったりで,落ち着いて仕事に集中するどころか,ここへ来て少しスローダウンしています.


子供はどうやら何歳になっても手がかかるらしく,まして7歳に満たない子が3人もいるうちは,例え昼間の仕事時間を学校や保育園で確保しても,どうしても想定内外のことが起きて仕事を中断せざるを得ません.妻の医療業界はそういう時に融通をきかせにくいらしく *3,一方スタートアップとはいえ非喫緊の業務を行う企業勤め *4 の私は幸い家庭の問題に関しては柔軟に対応させてもらえたこともあり,これまでそういうった "ダウンタイム" は私が担ってきましたし,これからも例え勤め先が変わったとしても多くの場面で家のこと・至急のことは私の担当となるように調整していくだろうと思っています.2人目の子まではヒーヒー言いつつもなんとか対応しました.しかし今年は3人めの乳児を抱え,パンデミックでいつもなら無いような制限が加わり,かつ家の購入と引越しで短期ですが集中的に負荷が一気に上がり,既述の通り仕事も面白くなく,パフォーマンスが一気に下がりました.第3子が産まれた後,3/4 ほどの育児時短 (規定8時間/日の勤務を6時間にする等) にしてもらいましたがそれも終了したので,新しい部署で全開に頑張らねばいけないところですが,今週も子らの学校がコロナで一時的に閉鎖になったりで,スピードが乗り切りません.引越してきたばかりの街は小さくて住みやすそうですが,ベビーシッターのなり手の中心世代と思われる20代人口が少ないのか,選ぶ手数多だったアトランタと異なり,人探しが難航しています.


丁度上司が代わり (頭に血が上って書いた感じのする記事以降,件の上司が当人の理由によって突然退職した),パートタイムへの転向を考えているかどうか聞かれました.寝耳に水,それまで一度たりとも検討したことは無い発想でした.新上司は,ソリが合わなかった前の上司からの情報を一方的に信じていた様子で,私に対し厳しく当たってきていた渦中でのことであり,私は着実にクビになる途を進んでいるのかと初めはがっかりし,また当時は妻が次の仕事に移る過程で私がフルタイムでないと家族全員の健康保険が危機に晒されるため,パートタイムの勧めは固辞しました.しかしよく聞いてみるとその上司自身,2人目の子を出産された時にやはり時間の都合が合わず,4年近くもパートタイムになった経験がおありだそうです.それから20年以上経っているのだと思いますが,業界で名が通る方として活躍されている (しかも御本人も言うように,今よりも遥かに男性中心であったオートメーション業界で女性).あと,これをきっかけに期せずして何件も同様のキャリアを途中スローダウンした話を耳にするようになりました.こうした周りで復帰できた話を聞くようになり,自身のふがいない現状と併せて,スローダウンすることを真面目に検討するようになりました.

ブログ題名にもある通り三十歳過ぎで一念発起したくらいにはキャリア好きですし,キャリアパス的にはまだ色々諦めてませんが,6-3-0歳を率い (というか引っ張り) つつフルに突っ走るフォーメーションに遂にちょっと限界を感じているということかなと思っており,正直パートタイム,或いは思い切って一旦休職するのも検討に入れています.一度休みを入れたことが "復帰" への障壁とならないかが,未だよくわかっていない.一旦何らかの理由で休んだ,という例は米国で結構目にもします.二人の経験多いマネジャに相談した所,全然大丈夫,履歴書に"穴"があってもあまり問題にはならない,と感想は頂いたし,私の場合は明らかに家庭のためのスローダウン (しかもパンデミック中) なので,理解を得やすいかとは期待していますが,とにかくスムーズに復帰するためには何をすべきなのか,それが明らかにならないと舵は取れないかな.

*1:先日触れた通り研修医生活で夫妻ともに時間的負債を溜め込んだと思っており,かといって研修医が終わったこれからも子育て仕事で大してまとまった時間はできないと思う.なのでもし生き永らえればですが,引退後楽しめるのは大事と考えてます.

*2:業界を賑わす存在であった中で,一転会社を閉じるかも?と青天の霹靂で伝えられた瞬間に図らずも立ち会うことになったのは記憶に残ります.

*3:ただし妻は妻で沢山の家事をこなしている.二人共けっこう一杯いっぱいやっている,という自己認識です.

*4:パンデミック下では,essential な顧客企業のために私の勤務先も essential になりはしましたが.