30歳過ぎから工学 vol.2

http://d.hatena.ne.jp/j130s/ から移行しました.オープンソースロボットソフトウェア技術者兼主夫. 高校・大学学部文系-->何となくソフトウェア開発業-->退職・渡米,テキサス州でシステムズ工学修士取得,しかし実装の方が楽しいと気付き縁があったロボティクス業界で再就職.現在 Texas 州内の産業用オートメーションのスタートアップに Georgia 州から遠隔勤務.

スタートアップ企業への私的感想

日本ではよくベンチャー企業という言い方をされる,新しく立ち上がったばかりの企業,米国では start-up company もしくは単に startup と言う事が多いです.Startup と呼ばれるのは,単に"新規企業"というだけでない気がしますね.例えば Dallas だと新しく会社を立ち上げてもこうは呼ばない気がするなあ.何ででしょう.
いづれにせよシリコンバレーに居ると無縁ではない.私も最近ついに人生初めて誘われました.WEB のサービス.ただでさえ就活中だったのでありがたい上に,連れが居るのでできれば Dallas に残りたい私に,遠隔でもええよ,というありがたいオファがあった.
元々,自分に合ってるかどうかは別として,Startup という存在には,二十代中盤で Software Engineer として働き始めて以降漠然と憧れています.他の社員と熱い気持ちをシェアしながら目標に突き進む感じね (だから私は昼夜関係なく働くことに違和感を持ってません).とはいえこの歳で追い求めるべきシロモノでもない気もしてますけど.
ただ,そういうポジティヴな状況はありながら,今回は見送りました.懸念の一つは給与がしばらくでないとのこと.利益が出ないうちは投資が得られない限り給与が出ないというのはまあそれはそうなのでしょう.私は二十代だったらともかく今は歳も歳だし,よっぽどやりたい仕事じゃない限り無給じゃやれない.それに無給で不安なのは責任や契約が不透明になった場合,予期しないこと (突然の解雇?というか) があっても反論できなかったりしそう.そうはいいながら,もし Dallas 勤務でいいのなら物価も California に比べれば安いし,今回に限っては実はこれは我慢できる範囲内.
我慢出来なかったのは,誘ってくれた人に対する疑念.話を拝聴し,頭が良さそうなのは文句無く,実際彼は現在トップスクールの MBA コースに通っていることでも明らか.彼のサービスの案が面白いものであることに私なんぞが異論を挟む余地は無い.だが無視出来なかったのは,Startup を本気で成功させるつもりならそれに集中すべきなんじゃなんじゃないの?と.学校通ってる場合なのか?そしてよく遊びにも行ってるっぽいし.まあ,頭も要領も良い人は私とは異人種なので,適正な息抜きをしつつ成功させるのかも知れんけども.でももし仮に私が無給のまま彼のチームのメンバとして,土日も働いた時に彼が遊びに行ってるのを Facebook に投稿してたりしたら,気持ちを保つのは難しい場面も出てくるでしょう.上でも触れましたが Startup で働く気持ちの源は熱意の共有だと私は勝手に思ってるので (違う?),そういう,気持ち周辺にヒビが入るとまず無理かなと.
Shark Tank という,視聴者がプレゼンして投資を得る TV 番組が好きなのですが,投資家サイドで出演している NBA Dallas Mavericks オーナーの Marc Cuban 氏は,賛同できるアイディアを持つ起業家に,やる気を測る質問をよくする.いつだったかある回では,Startup のうちは年収は $50K (4,500 万円) 未満で良いからとにかく汗して労働するのを厭わない奴じゃなきゃ投資できない,と自らの起業経験と重ねて強い非難の言葉を浴びせてました.
てことで,知見不足ながら感想をつらねましたが,Startup への憧れに関して結論づけると,憧れは憧れのままにして置いておこうかと.やはり自分はそういう,誰も通ってない土地を切り開いていく的なタイプではない*1ので.



Startup とは道なき所に道を作ることだとすれば,この写真の,道にとつぜん枝が生えてきた状況は一体何となるのか?

*1:私は,誰か数人が通って,安全はある程度確かめられたけどまだ成功かどうかは全然分からない,そんな状態で後に付いて行き,拡大していくタイプかなと.ニッチだなと.

再度短期仕事?

三ヶ月の短期の仕事を終え,次の仕事を探しています.次は長期の,いわゆる "社員" の仕事を探していますが,予想通り簡単には見付からず,とはいえ焦っても仕方ないので落ち着いてやってます.一方,応募もしてない有力企業 (仮に A 社) から,面識ある社員さん経由でインターンをしないかと誘いを頂き,検討中です.
アメリカでは "社員" 以外の契約形態としては,"Contractor / 契約社員" (契約社員は日本で言う派遣社員か?) と "インターン" (通常,学生が経験を積む目的で有期で就業する) の二つが一般的.米国の雇用形態については深く突っ込みませんが,どちらも福利厚生や手当が無いことが米国では多いのかも?何にせよ留学して工学修士まで取って卒業した後の仕事として,ベストではなく,今後のキャリアをこういった形態でずっとやっていくのは苦労が多そうです.ただし,諸条件の下で期間限定,例外的にオファを受けとって仕事することは私はアリだと考えています.
今回のオファはまさにその例外に当てはまるので検討しているわけです.まず A 社は最近のこの業界を世界的にリードする存在.そこで得られる経験も情報量も比類ない.次に給与.私が受験するような企業の正社員なみ (かそれより多い) らしく,待遇面としても短期仕事としては私が考えるには充分.食事は三食無償で提供されるし,インターン用の住居も付近にあるらしいし,金曜夕方は毎週ビールパーティらしいし (それはどうでもいいか!).
オファの連絡をくれた方は,たまたま会って,私も使っている技術を使った仕事をしている方なので,オファもらえるかなとかは一切期待せずに (求職中だとは一言書いたけど) コラボレーションのやり取りをしていたのですが (オープンソースの世界ですから),突然 (というかこの業界なら自然な流れか) インターン興味ある?と言って頂きました.彼自身が私と似た流れをたどっていて,ソフトウェアエンジニアとして数年働き,修士を取りに学校に通い,卒業後同社でインターン --> 正社員雇用,という流れらしい.卒業後インターンというのは決して一般的ではありませんが,例がないわけではなく,彼のようにうまく使って希望する途に進むことは可能なわけです.
この歳で・この経歴でいまだにインターンをすることに関して,そういうわけで例外として自分自身は納得していますが,キャリア設計の上で見落としていることがあるかも知れないので指摘頂ければ幸いです.



本文と関係ないが,Kansas 州 Wichita での写真.日本でもセレブ (を目指す女子) に人気が高い高級グローサリー "Dean & Deluca" の本社らしいけど,ただの倉庫にしか見えませんでした.周辺も倉庫地帯.ほんとに本社なのかー?
倉庫だ.

ロボットのハッカソンしてきた

先日職場でハッカソンがありました.機密にうるさい敏感な企業なので一般的な部分だけ少し書きます.まずハッカソンhackathon とは,短期間 (通常 1 日から 1 週間程度) の間に一箇所に集まり,なんらかの目的を設定して集中的にリソースを注ぎ込んで (人,時間,食事w) 開発を行うイベントで,言うまでもなくハッキング *1 + マラソンから来る造語です.有名な成果としては Facebook の Like! ボタンは同社での hackathon から産まれたとされています.
今回は職場のチーム計 13 名が二つに分かれ平日一週間で行いました.1 チームはセンサーと携帯端末のインテグレーションを行い,一方私が入ったチームはヒューマノイドロボットを用い (ヒューマノイド経験者は半数),両チームともある異なる家事をさせました.結果は両チームとも一応予定した機能の実装をほぼ/すべて達成でめでたしめでたし.初めて hackathon に参加したので以下まとまりないですが感想を.

  • かなり個人的な話ですが,ロボット業界に来てまだ数年なので,自分の手持ちのソリューションアイディアが少すぎたため,楽しいはずの機能仕様決めには意見を殆ど出せず,仕様が決まった後の実装屋としてのみの参加になってしまったのは残念 (覚悟してたから OK だが).ロボットの場合,実世界を知覚しないと始まらないので,センサーやマニピュレータ等のハードウェアや,それらに絡むソフトウェアライブラリをうまいこと使って*2目的を達成するわけですが,そのどれもまだ私は経験不足で,かつチームには経験豊富な人が三人いた (アドバイザ一人とロボティクス PhD 学生二人) ので,解決法を考えるプロセスでは彼らにオンブズマンにダッコチャンとなってしまった.ソリューション手段をあれこれ考えるのは既述の通りシステム開発の面白い部分なので,ここは要努力.
  • 実装ではマニピュレータを動かして物を掴んだり離したり移動したりという箇所を,マニピュレータ経験が無いにも関わらず,経験しておきたかったため担当しましたが,慣れるのに時間がかかり過ぎた.マニピュレータを地点 a から b に移動するその間の軌道を計画することを motion planning などと呼びますが,結局動的に計画するのは素人の私には難易度が高すぎ *3,静的に位置を決め打ちさせました.すると今度は自分の担当部分としてはやや時間が余ってしまいイマイチ challenging 感は薄れたのが残念 (チームメイトが担当した画像処理モジュールと結合し,物体の位置を把握して自動で掴むようにしたので,出来上がりは hackathon としてはまあまあのモノではあると思いますが).
  • ていうかマニピュレータ/アームって恐ろしく複雑ですね.予想はしてたけど.
  • 帰宅は毎晩午前様でしたがこれって日本企業や学生だと平時でも珍しくないですよね...とはいえ,普段一緒に密に働かない人同士が一緒くたで集中開発をする hackathon はやはり特別.あまり会話したことのない The Californian な感じのアドバイザがまだ三十前半のくせにベンチャーズなんか聴いてて,そのまんまやん!と同時に古クサ!って思ったり,仲間意識が当然強くなった.月曜早朝に朝食を一緒に食べて始まり,金曜夕方は BBQ で締め (残念ながら Dallas へ週末帰るフライトと重なってしまい BBQ はサラダ抜けでしたが).
  • 帰宅時刻をきにせず短期集中で仕上げる/スキルを身につけるというのは学生が経験を積むにはうってつけのスタイルだなと思う一方,経験豊富な人のヘルプが受けられる状態でないと,どん詰って捗らなくなり,人数を集中してる分失う時間も多くなる.今回はちょうど当日から着任した PhD 卒業目前の学生が大活躍したため捗ったが,彼が居なかったらとんでもないことになっていた.企業でも同じだろうけど特に教育機関で行う場合,スキルフルな人の人数を確保できるかは一つの焦点でしょうね.
  • 企業の業務として Hackathon を行う事に関して (ロボティクスに限りますが).まず一般的な前提として Web 等の純粋なソフトウェアに比べロボットは,ハードウェアが絡むのとタスクが簡単ではないのとで,開発スピードが遅いです.したがっていくら人を集中投下したとはいえ一週間で実現できることは限られ,まして製品直結のものが作られる可能性は低いでしょう.しかしながら,似た理由でそもそもロボットを使っての挑戦がなされてないタスクというのが世の中にはゴロゴロしており (例えば思い付きだけど,人の足の爪を切るロボットとか無いよね多分),短期でそういうった未試行課題に手を付けるのはとても有益でしょう.なぜなら試行してみることで,そのタスクでは何がどのくらい困難なのかが具体的に見えてきたりするから,研究者サイドとしてもマネジメントサイドとしても,今後の方針決めの材料として重要だった様子 (というわけで Hackathon の題材はその企業の商売ドメインから選ばれるのがまずは妥当かと).あと当然ですが成果の再利用が発生する.今回も,昨年夏に同研究所が行った Hackathon で作ったモジュールを利用してうまく動いた,なんてことがあった.
  • (Hackathon に限らないけど) 上述の新任者は,機能の実現方法を決めていく中で,必要なモジュールを外部の知合い/友人が持っている場合ためらいもせずメイルして取り寄せていた.上述の画像処理モジュールも根幹部分は LA の大学院生からファイルを送ってもらって実現.なんというか,そもそも今ロボティクス業界は open source の波がウネリまくっていて,私達のオフィスで開発しているソースコードも半分以上は BSD ライセンスで公開しているわけですが (老舗の部類に入る大企業としては公開するのはまだ珍しい方だと思う),損得なしで成果を共有しあう世界の研究者達 (或いは損得はどうにか精算されてるのか) の積極さに驚く一方,著作権だアイディア漏洩だなどとビジネス的なとこどうなんだろうとも気になった.後で訊いてみよう.

...と,いうように,ヒューマノイドに関して事前スキルが著しく足らなかったため,challenge という側面を楽しみ切れなかったのは残念ですが,それでも短時間で色々学ぶことができたのは収穫でした.今後もっとスキルが身についた時にはもっと楽しめるに違いない.

とあるロボット系企業の無料ランチにあり付いた.さすが California というべきか,かなりヘルシー.

*1:一般社会ではハッキング/ハッカーは悪い言葉として用いられますが,エンジニアの用語としては悪意を持った攻撃行為はクラッキングと呼ぶことが多く,改善の手段として分解/破壊を行うハッキングという行為自体はむしろ歓迎されます.

*2:場合によっては泥臭くても OK.解決法や実装の美しさは Hackathon では優先ではない.機能の実現が優先.

*3:自分の名誉のためというか,一応言っておくと,motion planning はプロにとっても簡単ではない.アドバイザも,今回は静的な planning を使うと最初から決めていた様子.

円高と給料

"北風と太陽" みたいなタイトルですが (違うか)...
以前書いた?とおり今の仕事はインターンといって短期の仕事で,今月一杯で終わりなので,来月以降の仕事を探しています.
とある研究機関のポジションの二次審査は,幾つかの質問が文書で送られてきて,期限までに返送せよというもの (あまり経験ないスタイル) なのですが,次の質問がクセモノ:


要求する報酬額を教えてください.もしその額が我々の想定より高い場合,審査対象から外させて頂きます.なお業務結果は学術論文の一部となる他,学術的イベントへの頻繁な関わりが予想され,これらの経験は報酬とのトレードオフとして十分値すると考えています.
応募者の希望報酬額を訊いてくるのはしごく一般的ですが,今回のように先方の予算を超える額を提示した場合は問答無用で落選とされる,というのを明示的に伝えられたことはないので動揺中(・.
口頭での会話ではこれまで,やや多めの額を言って相手の反応を伺い,必要に応じて下げ,あくまで交渉可能ですというのを最後に念を押すというパターンでやってきてます.額の交渉は日本の仕事を含めこれまで殆どやってきてないので苦手です.金額より仕事の内容がどれだけ興味に近いか,を私の場合優先にしてはいますが,しかしながら希望しているロボティクス業界*1は産業として立ち上がり時期であり給与は比較的高くない.かといって年齢と経験者採用ってのを考えると極端に希望額は下げられない.
とはいえ,日本時代の額を基準に考えるのは無理があります.最後に日本で仕事した 2008 年は 120円/$ なのに対し今は 80円/$ 前後で,例えば $100K は 2008年 = 1,200万円,2012 年 = 800 万円と,400万円の開きがでる (というか 2/3 になってしまう,という方がインパクトがわかりやすいか).したがって,アメリカの人に私の以前の給料を訊かれた場合当然 US ドルで答えるわけですが,2008年当時に言っていた額に比べ今言う額は 1.5 倍であり,私の年齢のエンジニアとしてそれなりに結構な額になるので,へ〜と驚かれることになる (だから今は必要のない限りウソついて低めに言ってます,仲間との平和のため.)*2
就活の交渉では当然ですが同じ換算は使えません.通貨の違いは価値の違い,今いる国の価値基準で判断されるのは当然.だいいち生活の費用が違う.子供が居らず,病院のお世話とかにならず,NY/LA/SF 等一部の超高額都市に住まない限り,東京に比べはるかに安いので *3,給与額の日米比較は簡単ではない.また既述の通り業界の平均も比較的高くない.そういうことも考え,いまは米国での自分にとって妥当な希望額を見極めなきゃいけない段階です.
というわけで,無理矢理冒頭の出だしに結びつけると,太陽のようなはっきりした米国企業の就活において,北風のような穏やかさでじわじわと受け容れられたいです (本文とぜんぜん関係しないな).

米国の職場は金曜午後はもうお祭り状態 (?).週末の予定の話し合いとかばっかり.プログラミングツール eclipse ですら休暇を暗に主張してやがるw.

*1:ロボティクス業界と言っても大きく分けて二つあり,工場などで人の代わりや危険作業を担うといった "プロ向け" のいわゆる産業用ロボットは既に産業として成り立っています.私はそちらではなく,人の世話をしたりする消費者向けの方で,こちらは未だ業界全体として (Roomba 等ごく一部を除いて) 研究開発段階にあり,商業的に成功している製品はあまりない.

*2:ちなみに誤解の無いように捕捉しますが,当時私が高額もらってたわけでは全然なく,三十前半の日本のソフトウェアエンジニアとして極めて妥当な線だったはず

*3:ちなみに第二の故郷とも言うべき Dallas は米国内では相当に大きな経済都市ですが,生活費はとてもリーズナブルだと思います.

django をさくらインターネットで動かす,2012 年版

California 州は Palo Alto での仕事も一ヶ月半が経ちました.わけあって短期限定の仕事で,残りあと一ヶ月半,早くも前半終了.ネジを巻いてます.
西岸海洋性気候 (なつかしいね) のこの地は一年中気温が落ち着いていて雨もさほど降らず,灌漑によって緑も多く山も海も近いという,"穏やか" という言葉を絵に描いたような場所.勤務先には夏の間インターンで働きに来ている人が合計 47 名もいますが,みんな週末はここぞとばかりに遊びに行っている.一方私はというと,1.5 ヶ月後には仕事が失くなる身だし,人生のんびりしてる場合じゃない年齢でもあり,金曜夜だけぱーっとやって週末はじっとしてることが多いです.
ちなみに,昨年この地域 (San Francisco ベイエリア) で仕事した時に部屋さがしで大苦労した (過去の日記参照) わけですが,今回も最初は何十件もメイルした割に返事がもらえず苦労しました.結局同僚たちの成功体験に従い craigslist に広告を出し,連絡をくれた方の中で信頼できそうな方を訪ね,部屋をお借りすることに.引退前後の裕福な老夫婦で,毎晩のように netflix で映画を観てるのにイイ意味で巻き込まれてます.



さて,本題.python の web アプリケーション用フレイムワーク,django.アクセスできる権限が限定されるさくらインターネットですが,django はインストールできるらしい事が分かりました.しかも見つけた限り 2006/7 年にはやってる方が何人もいる.それから 5, 6 年経ってるものの,当時のドキュメントを参考になんとかインスコできたので,参照したペイジ達とハマりどころをメモ.実はかなりハマったのだけど,終わってみれば結局すべて WEB 上で他の方が書いてくださっていた...

利用環境: django 1.3.1, FreeBSD sakura.ne.jp 7.1-RELEASE-p16 FreeBSD 7.1-RELEASE-p16. sshさくらインターネットにつなぐ.

基本の流れはこの辺を参考に.
さくらインターネットでDjango from rokujyouhitoma's blog
さくらインターネット、CGIでDjangoを動かす from 30からのBlog
さくらインターネットでDjangoを動かしてみた from BTY備忘録

ただ,tricky なことを多少しなきゃいけないわけだが,上記ペイジ群は何故 trick が要るのかを省いている感があるので,その理由はこのページに学ぶ.
さくらのレンタルサーバで Python 外部モジュールを使う from EmptyPage.jp

以降は,上記ペイジ群にならって作業したが,すんなりいかなかった箇所のメモ.

  • I(ssue)-1. django-admin.py が失敗する


django-admin.py startproject mysite
django-admin.py: Command not found.
W(orkaround)-1. python ディレクトリが複数箇所にインスコされてないか調べ,そうなら望ましいもの除き rm で削除.私の場合は ~/local/lib/python と ~/local/lib/python2.7 が何故か存在したので,2.7 の方を削除.


ImportError: Could not import settings 'djangogtest.settings' (Is it on sys.path?): No module named djangogtest.settings

W-2. このページの記述にしたがい, django.cgi.htaccess を,プロジェクト名のフォルダの一階層目に配置する.正しいかどうかわからないが,django-admin.py は prj 名として指定されたフォルダの中に同名でもう一個フォルダを作りその中に settings.py 等を格納する,ように私の環境ではなっている.二階層目に django.cgi.htaccess を置いて色々設定をいじってもうまくいかなかった.結果としては次のような配置でうまくいうった:


/home/mydomain/www/django/djgtest/{ .htaccess, django.cgi }
/home/mydomain/www/django/djgtest/djgtest/{ settings.py, urls.py, wsgi.py }

  • I-3. manage.py がプロジェクトフォルダ (settings.py, urls.py, wsgi.py, __init__.py がある所) に生成されない

W-3. 原因は不明ですが,Django-1.4/django/conf/project_template/manage.py をコピペし,中の DJANGO_SETTINGS_MODULE のデフォ値を自分のプロジェクト名 (django.cgi ファイル内で記述した ***.settings 等と同様) に変更すれば使える (python manage.py runserver 等) ようになる.



(後記) 今回の記事は django の一部分が "動いた" というだけで,"web site 構築ができた" とは言っていません.実際,本稼働サイトの構築をさくらインターネット上で django を使って行うのは,諦めました.manage.py から setting ファイルが見えないという問題が数時間かけても解決できず,一筋縄ではなかった django 自体のインストールのどこかに欠陥があったのかも知れず,制限の多いさくら上ではこういった基本的なインストレーション関連で結局運用コストがかさみそうなので,無難に phpwordpress での構築を継続することにしました.残念.惜しむらくは,なぜ手元の linux で一度インストレーションを試して勝手を掴んでから本稼働サーバでの作業にしなかったのか...超基本だ.

Stanford 大学の自動操縦車 "Stanley" 現物に遭遇.同大学の車庫に,他の研究用の車と同じ感じでしまってありました.

留学まとめ開始

私事ですが,五月に SMU での修士課程を卒業しました.今月から California で仕事で,Dallas からの車での旅行で今日到着しました.
基礎からやり直したので,渡米後 4 年もかかり,途中ダメかと思うこともほんとにありました.33 歳で日本の仕事を退職,文系で卒業した高校の 15 年後に米国での工学修士に挑む等々,色んな角度で無茶でしたが,ここまではなんとか来れました.問題はこれからです."自由の国" アメリカですが,さすがにもうキャリアを迷ってる余裕もないだろうと.
ともあれ,良し悪しはともかく,日本人的に珍しいことをやってしまったので,幾つかの点について今後不定期にふれていきます (本当は明日からの就業前に今日書いてしまうつもりでしたが六日間の road trip の疲れか,眠い...).

今回の Texas -> California のルート.ちなみにこれで今年も引越をしたことになり,2006 年から 7 年連続で引越し継続中となってしまいました.ギネス記録もそろそろ見えてきました (?).

米国での就職エイジェントの選び方

オンラインで履歴書を登録するサイトがあります.そこに登録すると,米国内に無数に存在する求人代理店や人材派遣会社 (ここではまとめてエイジェントと呼ぶ) がそれを検索し,彼らの顧客企業の要件に合えば連絡が来るという仕組み.
以降は私の場合ですが,毎日のように (というか多い時は毎日十件くらい) メイルや電話で連絡が来ました.そのうちの多く (ざっくり言って九割方) はこちらの希望に合わないですが,合いそうな案件に関しては連絡を返します.その後のステップは,エイジェントと電話で話しスキルや希望条件の確認をし,履歴書をブラッシュアップして送付した後にエージェントが企業に売り込みに行くというのが通常かと.
当然ですが,エイジェント一社あたりとのやり取りはそれなりに時間と労力を遣います.特に履歴書.数えてみたら今回の就活用に履歴書を 41 バージョン作ったらしい (一月からなので一ヶ月平均 8 個以上).人によって方法は違うだろうが,私は就業経験者で語れるバックグラウンドが幾つかあることもあり,個々の求人内容*1にスキルがベストフィットするように毎回編集しているので,バージョンの数 = 応募した数です.特に私の場合は必ずしもこれまで首尾一貫した経歴できてるわけじゃないのでスキルがソフトウェアエンジニアとして幅広いっちゃ幅広く (その分薄いかも知れないが),重点を置く箇所が応募ごとに変わることはしょっちゅう.
ところが時間をかけて履歴書を作ってエイジェントに送っても,残念ながらその後何も音沙汰なし,ということは普通にあるわけです.そういう場合には勝手ながら,不信感を持ってしまいがち.こっちは誠心対応したのに,,,と.なぜ音沙汰なしなのかは推測でしか無いが,(a) 応募対象の企業が私の履歴書を気に入ってくれなかったか,(b) 或いはエイジェント側で何か問題があって履歴書が企業に届かなかったか,のどちらかではないかと考えています (大抵は (a) だろうけどね).
こういった経験から,エイジェントにも良し悪しがあると思うになりました.断定的なことは言えないけども,このエイジェントから来た仕事に反応してもいい結果来なそうだな,というのはある程度見切らないと,時間と労力がかかって仕方がない.以下,私独自の判断基準です.経験に基づいたものなのはご理解を:

  • 連絡窓口が (断りなく) 一本化されてないエイジェント.情報がとっちらかってないかと心配になる.
  • 電話でスキルやバックグラウンドを確認するための面談が異常に短いエイジェント.そんな限られた情報で私を売り込んで頂くことが可能なのか?と不安になる.
  • メイルの差出人名・signature が first name だけのエイジェント.なぜ family name を隠す?普通に常識外れ (少なくとも米国では).
  • (出身国で分類するのは良くないと理解しているのだが,残念ながら経験上) とあるアジアの大国出身者が多いエイジェント.人名や英語の発音で分かる.数社経験があるが,上記すべて当てはまる事が多かった...
  • 話が妙に長いエイジェント.その人の得意なやり方なのかも知れないけど,この人はプロフェッショナルなのか?と心配になる.
  • 顧客企業と仲が良すぎるエイジェント (半ば友達だったり).単に私の好みかも知れず,うまく言えないのだが何となく不安になる.

以上結局うまく実を結ばなかった応募案件の経験より.ちなみにエイジェントは大体 20 社くらいは少なくともやり取りを経験しているものと思われます.
誤解無いように願いたいですが上のどれも当てはまらない素晴らしいエイジェントも多いわけです.特筆すべきは日系企業.日本人向けの仕事の話を多くもっている日系エイジェントとのやり取りは,日本語を使う仕事を探していようが無かろうが日本語ネイティヴである以上は必然的に多くなるかと思いますが,やはり日系企業の気遣いの行き届き様はここでも出色.気が落ち着きます.単に私の経験上のはなしですが,日系エイジェントはだめだった場合でも連絡を返してくれることが多い気がする (全部ではなかった.ちなみに日系エイジェントは十社近くやり取りさせて頂いている.) し,こちらの希望条件を細かく聞き出し,それに応えようとしているのが感じられる.しかしながら,米国の企業社会での就活を生き抜いてく上では,日本的な気遣いの細やかさを期待してると辛い思いをするのも付け加えねばなりませんが.



09/19/2013 更新
友人から,良いエージェントを教えてくれと質問をもらったので,このエントリでは実名は控えていたのだがまあ一年以上経ってるし良いかな?私がやり取りさせていてダントツに良かったのは,まず日系だと米国 Pasona さんでした.こっちのことを考えてくれてる,という気にさせてくれました.あとは日系じゃないけど Jobspring Partners は面白い方かも.最初にエージェントと面接があって,そこで簡単なスクリーニング (ふるい落とし) がされている感じだったので,ダメそうな起業にはそもそも紹介もされず,余計な時間をこちらも費やさずに済んだ.



もうすぐ一歳のオス "ノビ".こんな姿勢でもこいつは眠ってます.荒木飛呂彦先生のマンガ並の頭の小ささ (わからないか...).

*1:求人内容は米国では Job Description と呼ばれる.米国のそれはスキル,学歴,経験年数などとても特定されている